ひとまず“リスク回避”は後退 - ただ“リスクを取りにいく”のも…?

著者:武市佳史
投稿:2018/12/03 10:30

ひとまず“リスク回避”は後退 - ただ“リスクを取りにいく”のも…?

◆米中首脳会談“さらなる事態悪化”回避で“リスク回避の巻き戻し”が先行

※ご注意:予想期間は12月4日と表示されていますが、本日(12月3日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


注目のイベントを控えて、先週末は“膠着のまま”で取引を終えました。
そしてその米中首脳会談では、とりあえず“さらなる事態悪化”は回避されました。

 「問題解決に向けて対話を継続」
 「対中関税引き上げは90日間延期」

このため週明けオープニングから“リスク回避の巻き戻し”が先行しており、対オセアニア通貨を中心とした“円売り”が目立っています。
これで“株高の連鎖”にでもつながれば、もう一段の円売りからドル円も上値を模索してもおかしくないところです。


◆ただし今回の決定はいわゆる“先延ばし”

ただし今回の決定はいわゆる“先延ばし”であり、裏を返せば“(90日間で合意できなければ)対中関税は引き上げ”との方針が示されたともいえます。
このため“不透明感は払拭し切れていない”と見るのが自然であり、“リスクを取りにくい”はまだ続きそうな気配を醸し出しています。


◆“下値は固くなった”のは事実ではあるが…?

“決定的な対立”が回避されたのは事実ですので、基本的に先週より“下値は固くなった”と考えるのが自然です。
しかし“上値が軽くなった”かというと…?

“崩れる”とは考えておらず、“押し目買いチャンス”との見方も変わりませんが、まだ“上値は重い(方向感は定まっていない)”と考えながら、次なる材料を見極めたいところです。


◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:114.202(11/12-13高値)
上値4:114.109(ピボットハイブレイクアウト)
上値3:114.033(11/28高値、大台)
上値2:113.911(ピボット2ndレジスタンス)
上値1:113.712(11/30高値、ピボット1sレジスタンス)
前営業日終値:113.534
下値1:113.418(20日移動平均線、50月移動平均線)
下値2:113.325(11/30安値、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値3:113.168(11/20~11/28の50%押し、11/29安値、ピボット2ndサポート)
下値4:113.086(50日移動平均線)
下値5:112.964(11/20~11/28の61.8%押し、日足・一目均衡表基準線、200週移動平均線、大台、ピボットローブレイクアウト)


※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:48 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想