FRB議長発言でドル反落
昨日のドル/円は、114.00円台に乗せて2週間ぶり高値を付ける場面もあったが、114円台の滞空時間は30分未満にとどまり、その後は一転して113.40円台へと下落した。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、政策金利は中立レンジを「わずかに下回る」水準にある、との認識を示した事を受けて米金利の先高感が後退。議長は、10月の講演で中立金利(景気を冷ましもふかしもしない金利水準)について「長い道のりがある」と述べていただけに、市場の強い反応にも頷ける部分もあるが、FRBが軌道修正したとの見方は、やや前のめり過ぎるだろう。議長は、FRBが堅調な成長継続の見通しを維持しているとして、12月利上げを予定通りに行う姿勢を示した上で、「入手する経済・金融データが何を示唆しているのか丹念に精査していく」と述べた。それだけに、ドルの下落余地はそれほど大きくないと見ており、ドル/円についても日足一目均衡表の転換線などがある113円台前半はサポートになりそうだ。