「リスク回避一辺倒」にでもならない限り…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/11/20 10:27

「リスク回避一辺倒」にでもならない限り…!?

◆“米利上げペース鈍化”の思惑継続 ― ドル売り先行

※ご注意:予想期間は11月21日と表示されていますが、本日(11月20日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


先週末の米要人発言から派生した“米利上げペース鈍化”との思惑が、昨日はまだ尾を引いたようです。
これに全米住宅建設業協会・住宅市場指数(60は2016年8月以来、前月比-8は2014年2月以来最大の下げ幅)が重なり、“米10年国債利回り低下⇒ドル売り”が先行しました。

一方、APEC首脳会議の宣言断念を背景に“米中貿易摩擦懸念”も悪化しており、“リスク回避姿勢⇒円買い”も台頭しています。
「ゴーン・日産会長が逮捕」の報で“仏ルノー株が急落⇒欧州株下落”へと波及し、これがアップルという個別要因があるにせよ“NYダウ反落”につながったことも、“円買い”を後押ししたと見られるところです。
ドル円に“上値の重い”動きを強いられており、ジリジリと“112.40円水準”へと値を落としました。


◆ただし、ドル円の下値は限定的

もっとも“米利上げペース鈍化(ドル売り)”に、懸念していた“リスク回避姿勢(円買い)”が重なっても、ドル円の下落はそれほどでもありません。
これは“テクニカル的な後押し(昨日安値は10/26~11/12の61.8%押しとほぼ合致)”が影響していると見られ、“下値の堅さ”も堅持している格好といえます。
やはり懸念の範疇を超えるほどの「リスク回避一辺倒(全てをなぎ倒す破壊力を秘めていますので…)」にでもならない限り、ここからは「下値が限定される(下値は浅い)」…?

「イメージは下方向」が先行していますが、引き続き「大きく崩れるは期待薄」「ここまでくれば押し目買いチャンス」と見て、対峙したいところです。


◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:113.250(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:113.100(11/12~11/19の38.2%戻し、20日移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:112.945(日足・一目均衡表先行スパン上限、200週移動平均線、週足・一目均衡表転換線、大台)
上値2:112.869(11/19高値、50日移動平均線)
上値1:112.790(日足・一目均衡表基準線、ピボット1sレジスタンス)
前営業日終値:112.541
下値1:112.419(11/19安値、10/26~11/12の61.8%押し水準)
下値2:112.302(10/30安値、ピボット1stサポート)
下値3:112.160(日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット2ndサポート)
下値4:112.059(100日移動平均線、20週移動平均線、大台)
下値5:111.900(ピボットローブレイクアウト)


※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:28 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想