ここまでくれば「押し目かいチャンス」…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/11/19 10:42

ここまでくれば「押し目かいチャンス」…!?

◆米利上げ観測後退 ― ドル円下落

※ご注意:予想期間は11月20日と表示されていますが、本日(11月19日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“Brexit懸念”は薄らいだものの、今度は“米利上げ観測”が後退しました。

 「世界経済に減速の兆しあり」
 「米景気見通しに影響が及び得る」
 「政策金利は中立ゾーンに近づいている」

このクラリダFRB副議長の発言は、「来年度以降の利上げペース鈍化」との見方を促したからです。
幅広い通貨に対して“ドル売り”が進行し、113円ラインに展開していた分厚いドル買いオーダーをあっさり吸収したドル円は、一時“112.639円”へと売り込まれていきました。


◆ただ“リスク回避一辺倒”へとつながらない限り…?

「思惑が下方向へ傾斜しやすくなっている」のは事実であり、“11/2安値(112.561円)/10/26~11/12の61.8%押し(112.457円)”を割り込むと、“日足・一目均衡表先行スパン下限(本日は112.160円)/100日移動平均線(同112.041円)”まで下値を伸ばしかねません。
このため予断を許さないところがありますが、ただし今回の下落は“ドル売り”に伴うものです。
つまりクロス円通貨全般は“底堅く”推移しており、「ドル円が一気に崩れる流れ」ではありません。

昨日閉幕のAPEC首脳会議で「首脳宣言が断念」されたことで、またぞろ“米中貿易戦争懸念”が激化しないとも限りませんが、「本番は月末(米中首脳会談)」と考えれば“時間的な猶予”が…?

“リスク回避一辺倒”へとつながらない(つまり懸念の範疇を超えない)限りは、引き続き「“大きく崩れる”は期待薄」と考えたいところです。
そして不透明感は漂い続けていますが、ここまで押せば「押し目買いのチャンス」を先行させるべき…?


◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:113.610(11/16高値、11/12~11/16の61.8%戻し)
上値4:113.421(11/12~11/16の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、50月移動平均線、ピボット1sレジスタンス)
上値3:113.236(11/12~11/16の38.2%戻し)
上値2:113.084(20日移動平均線)
上値1:112.965(200週移動平均線、週足・一目均衡表転換線、大台)
前営業日終値:112.854(日足・一目均衡表先行スパン上限/基準線、50日移動平均線)
下値1:112.639(11/16安値)
下値2:112.561(11/2安値)
下値3:112.457(10/26~11/12の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値4:112.302(10/30安値)
下値5:112.160(日足・一目均衡表先行スパン下限)


※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:32 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想