米中間選挙の動向もあって

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/11/07 17:28

荒れるSQ週らしく乱高下しました

日経平均は-61円安の22085円と反落しました。

朝方は、米国株高を受けて高く始まると、先物買いから上げ幅を拡大しました。

その後、先物にまとまった売り物が出て下げに転じる場面もありましたが再び盛り返すと、前場終盤には高値で+296円高の22444円まで上昇しました。

後場は、上げ幅を縮小して始まったあと、一時持ち直しましたが徐々に売りに押され、大引けにかけて再度下落転換しました。

米中間選挙の結果は市場予想通り、上院は共和党、下院は民主党が過半数を奪取する見通しとなり、トランプ米政権による経済政策の審議が滞る「ねじれ議会」が改めて重しとして意識されました。

またこれを受けた米国株市場の動向を見極めたいとして大引けにかけて手じまい売りが増えましたが、一日を通して米中間選挙の開票状況をにらんだ短期的な売買に振り回される展開で、上海株がじりじりと下げ幅を広げたことも投資家心理を冷やしました。

東証1部の売買代金は3兆1154億円、騰落銘柄数は値上がり939銘柄、値下がり1095銘柄、日経225採用銘柄では値上がり71銘柄、値下がり154銘柄でした。

ファーストリテが約74円、日経平均を押し上げた一方、ダイキンが約28円押し下げました。

日経ジャスダック平均は反発、東証マザーズ指数は4日続伸しています。

日経平均のテクニカル指標は、高値圏にあるものと底値圏に近いものが混在しています。

米中間選挙の結果は市場予想通りとはなりましたが、2000年以降の中間選挙を見ると、2006年と2010年に、「ねじれ議会」が発生し、いずれも翌年にかけてNYダウが一時的に調整しました。

中間選挙後1年間のNYダウの騰落率は、2006年の中間選挙後が9.4%、2010年の中間選挙後が5.8%と、いずれも売られたあとに切り返しましたのでプラスとなりましたが、2010年には急落して一時約5%下落する場面もありました。

なお2006年の中間選挙後については、翌年にサブプライム・ローン問題が発生したためやや特殊な状況でした。

つまり予想通りではあったものの、「ねじれ議会」の発生は相場にとっては良い方向には反応が出ない可能性が懸念されます。

今週はまさに荒れるSQ週となっており、今晩の米国株市場の反応によっては金曜日のSQまで高値を追うかもしれませんが、その場合にはやはり段階的に利益確定売りを進める方が無難そうです。

新興市場も同じスタンスでいいと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想