■10月1日(月)■27000円に向かって、重要な局面に入った株式市場

著者:堀篤
投稿:2018/10/01 11:59

日米貿易協議で、上昇すべき時間を手に入れた東京市場

■日米貿易協議で、上昇すべき時間を手に入れた東京市場

日経平均は先週、予想通り、早くも24,000円を突破してきた。
想定通りの動きで株価が上へ抜けてきたとき、株式市場は「大衆化」しやすくなる。つまり、相場に自信が生まれ、誰もが同じ方向を向き、相場もそちらへ動きやすくなる、ということだ。今はその状態に近い。そしてこれは、バブル生成の過程でもあるが、現在の市場はバブルといえる水準まではまだほど遠く、市場は健全な状態のまま、上昇する余地が十分にある。

一方で、先週は日米貿易問題が本格的な議論に入る週でもあった。今月に入って、「米中貿易問題が日本を利する」という見方が東京市場を後押ししてきたが、もし日米間での貿易摩擦が激化すれば、その見方は180度変わる。先週木曜までは、政治的な駆け引きに注目が行き、相場は足踏みをした。
しかし、幸いなことに、日米貿易協議は予想以上の結果に終わった。自動車に対する追加関税はとりえず回避に成功し、農産物の関税引き下げは、2国間の物品貿易協定(TAG)として年明けから交渉が始まる。
この年末、年明けまでの期間が、東京市場にとっては大きなチャンスになるだろう。


■27000円が妥当な水準に

東京市場は、重要な局面入りをした。
日経平均は今後、数ヶ月の間に、27000円へ向かう可能性が高いだろう。
特に年末までの3か月間は、投資家が自らの手腕を発揮すべき時間帯となりそうだ。
何を買えば相場に乗り、何を買うと相場に乗り遅れるのだろうか。

東証1部のPER(加重平均実績ベース)は過去3年間、最低で15.2倍、最高で19.6倍の範囲で動いている。先週のPERはまだ15倍台にあり、業績面での割安感はある。仮に最大最小の中間値、17.4倍が戻りの目処だとすると、単純計算では、東証1部全体で、約13.5%の上昇が見込めることになる。これをそのまま日経平均に充てはめると、27090円という数値になる。
一方テクニカル面で考えると、これまで過去2回、似たようなの保ち合いからの上放れのケースがある。2016年10月、2017年9月の動きがそれで、これらのケースでは上放れ後、2,3か月で13.9%から19.0%の上昇を演じている。これを上昇期間3か月、上昇率15%として今回に当てはめると、今年12月にかけて、日経平均は26558円をつけることになる。

ここでさらに重要なことは、11月の米国中間選挙と、安倍政権の政策だ。
この両政権は、ともに「株式市場と共にある」ことが特徴だ。トランプ政権は、「株式市場が最高値を猛進している」ということを自身の政策の成功の証とできることに気が付き始めた。
安倍政権もこれに近い状況であり、来年の消費税増税に向けての対応策などについて、財政策を含め、思い切ったことをしてくる期待値がある。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想