またしても「イメージは下方向」一辺倒だが…?

著者:武市佳史
投稿:2018/08/06 11:17

◆米中貿易戦争懸念増幅 - 111円前半へ反落

※ご注意:予想期間は8月7日と表示されていますが、本日(8月6日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“米雇用統計は期待はずれ”に終わりましたが、それほど大きな影響は見られませんでした。
それよりもドル円を押し下げたのは、やはり“米中貿易戦争懸念の増幅”でした。

 「人民元売り・外貨買いの為替先物取引に対し、準備金率を0%⇒20%に引き上げ」
 「600億ドル相当の米国製品に対し、報復の追加関税を実施」

中国のこの発表は、前者は“人民元買い・ドル売り”を、そして後者は“リスク回避の円買い”を促しました。
特に後者は「米国の決意を過小評価すべきでない」とするクドロー米NEC(国家経済会議)委員長発言も加わり、“(日米通商協議を控えた)日本にも波及する”との思惑を誘いました。
ドル円には売り圧力がかかり、一時111.10円水準へと押し下げられました。

◆“111円台の居心地の良さ”を考えれば、ここからの下押しは…?

“日本への不透明感”まで台頭し始めたことを考えると、もうしばらく“上値は重い”と考えておく必要があるのは事実です。
しかしながら“111円割れが回避”されているのは事実であり、仮に割り込んでもここ2週間は“すぐに買い戻された”という経緯もあります。
これは“(押した水準では)ドル買い意欲が旺盛”であることを物語り、“111円台の居心地の良さ”が示されていると見るのが自然です。

「上値の重さ」を鑑みつつも、やはり「大きく崩れるは期待薄」「押したところは買い拾い」と見て対峙したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.859(8/3高値)
上値4:111.747(8/1~8/3の61.8%戻し、20日移動平均線、日足・一目均衡表基準線、ピボット1sレジスタンス)
上値3:111.624(8/1~8/3の50%戻し)
上値2:111.500(8/1~8/3の38.2%戻し、週足・一目均衡表先行スパン上限)
上値1:111.368(日足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:111.246
下値1:111.100(8/3安値)
下値2:111.000(大台、ピボット1stサポート)
下値3:110.720(7/31安値、50日移動平均線)
下値4:110.643(ピボット2ndサポート)
下値5:110.589(7/26安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。
11:16 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想