できるだけ“ついて行く”は避けたいが…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/08/01 11:10

◆日銀会合+米中貿易戦争懸念後退=ドル円急反発

※ご注意:予想期間は8月2日と表示されていますが、本日(8月1日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「今秋の柔軟化示唆」は、ちょっと欲張り過ぎだったか…?
それでも「ETF購入比率変更」等に留まったことで、昨日は“円売り戻し”が目立ちました。
特に「緩和姿勢の長期化(黒田日銀総裁・記者会見)」が示唆された事が大きく、ドル円は急反発を見せました。

これに「(米中貿易戦争回避に向けて)協議再開を模索」との報道がNYタイムに加わり、さらにFRBが注目する“PCEコア・デフレータ(+1.9%)”を含めた昨日発表の米経済指標が好内容であることも確認されました。
ドル円はさらに上値を伸ばし、まとまった規模で展開する“112円ラインのドル売りオーダー”のすぐ手前まで上値を伸ばしています。

◆「さらなる上値余地を探る」が意識される展開

概ね“想定通り”だったとはいえ、思惑が傾斜(割れていた)こともあり、日銀会合以降は“巻き戻し(円売り)”が先行しています。
これに具体的な話でこそないものの、“米中貿易戦争懸念の後退”も浮上しており、“ドル買い”も入りやすくなっていると考えられます。
前者には“巻き戻しが一巡する懸念”、後者には“具体的な話ではないが表面化する懸念”が残りますが、現時点では「さらなる上値余地を探る」が意識されると見るのが自然です。

◆FOMCを前に“突っ込んだ買い(高値をついて行く)”は避けたいが…!?

昨日の反発で“7/19~7/26の50%戻し(111.879円)”には到達していますので、テクニカル的に見た「次なるターゲット」は“112円の大台ライン”と、そして“同61.8%戻し(112.183円)”と見られます。
一方で“20日移動平均線&日足・一目均衡表転換線(本日は111.603-605円)”が重なって展開していることを考えると、「下値のメド」として機能する可能性は十分と考えます。
すぐ下には“日足・一目均衡表基準線(同111.426円)”も控えていますので、仮に割り込んだとしても「大きくは崩れない」と見ることも可能です。

FOMCを前に“突っ込んだ買い(高値をついて行く)”は避けたいところではありますが、“押しが鈍い(浅い)⇒そのまま上伸”というリスクが潜んでいることも、頭の片隅では認識しておきたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.621(7/20高値)
上値4:112.560(7/19~7/26の76.4%戻し)
上値3:112.282(ピボット1stレジスタンス)
上値2:112.183(7/19~7/26の61.8%戻し)
上値1:112.000(大台、7/31高値)
前営業日終値:111.827
下値1:111.603(20日移動平均線、日足・一目均衡表転換線)
下値2:111.434(7/26~7/31の38.2%押し、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値3:111.272(7/26~7/31の50%押し)
下値4:111.111(7/26~7/31の61.8%押し、週足・一目均衡表転換線)
下値5:111.000(大台、週足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット1stサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:36 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想