「今秋の柔軟化示唆」に留まれば…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/07/31 10:27

◆模様眺めに終始 - 今年最少の値幅

※ご注意:予想期間は8月1日と表示されていますが、本日(7月31日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


欧州国債利回り上昇を受けてユーロ買いがやや目立ったものの、それ以外は“全くの動意薄”に留まりました。
“今月3回目の日銀・指し値オペ”が実施され、“1兆6000億円の国債吸収”が行われても、これは変わりませんでした。
マーケットは完全に「日銀金融政策決定会合を控えた模様眺め」に終始しており、昨日のドル円値幅は“わずか27銭”と“今年最小”を記録するに至りました。

◆割れる思惑 - ポイントは…?

その日銀金融政策決定会合(&黒田日銀総裁・記者会見)が、本日は予定されています。

「長期金利の誘導目標レンジ拡大」を期待する向きが少なからず存在するものの、「緩和姿勢そのものは継続」と考えれば、そのこの確率は“限りなく低い”と考えるのが自然ということになります。
このためポイントとなるのは、「ETFの購入比率変更の有無」「買入対象国債の残存期間柔軟化の有無」と考えます。
そして前者に留まれば“事実で円売り戻し”、後者まで踏み込めば“さらなる円買いは必至”と見ますが、見方(思惑)が割れている状況下では“決め打ちは禁物”“予断を許さない”といわざるを得ないところです。

個人的には“そのどちらでもない(今秋の柔軟化示唆に留まる)”と考えており、“さらなる事実で円売り戻し”を期待していますが、果たして…?
いずれにしてもリスク管理は、“タイトに設定”しておく必要がありそうです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:普段より拡大して掲載しています

112.621(7/20高値)
112.183(7/19~7/26の61.8%戻し)
112.000(大台)
上値5:111.879(7/19~7/26の50%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値4:111.538(7/23-24高値、7/19~7/26の38.2%戻し、20日移動平均線)
上値3:111.383(7/25高値、週足・一目均衡表先行スパン上限、ピボットハイブレイクアウト)
上値2:111.244(7/26-27高値、日足・一目均衡表基準線、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:111.160(7/30高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:111.046
下値1:110.961(週足・一目均衡表先行スパン下限)
下値2:110.892(7/30安値、ピボット1stサポート)
下値3:110.795(7/27安値、ピボット2ndサポート)
下値4:110.589(7/26安値、50日移動平均線、週足・一目均衡表転換線、ピボットローブレイクアウト)
下値5:110.462(100週移動平均線)
110.353(7/9安値)
110.275(7/4-5安値、50週移動平均線)
110.041(5/29~7/19の61.8%押し、200日移動平均線、大台)
109.888(日足・一目均衡表先行スパン上限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:48 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想