上値重くとも、「大きくは崩れない」が勝る…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/07/25 10:29

◆「上値の重さ」鮮明も、「下値もしっかり」

※ご注意:予想期間は7月26日と表示されていますが、本日(7月25日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


1年ぶりの低水準に人民元・基準値が設定されるなど、“米中貿易懸念”は昨日も残りました。
これに“米欧首脳会談”を巡る様子見が加わるなど、『上値の重さ』は鮮明でした。

一方で“日米金利格差”を背景に、ドル買いニーズは依然として旺盛でもあります。
一時2.97%へと上昇した米10年債利回り/4日ぶりに反発したNYダウに引っ張られる格好で、『下値もしっかり』 という印象も残りました。

◆イベント控えて、「上値を探る」は想定しづらい…?

こうした中、本日はその“米欧首脳会談”が行われます。
「米・欧の溝は深い」とされるだけに“通商協議(主に自動車関税)の行方は不透明”といわざるを得ないところがあり、そうした中で上値を探る展開というのは、ちょっと想定しづらいところがあります。

◆ただ「ネガティブ」ばかりではない - 動くとすれば…!?

ただし“通商協議(貿易戦争?)”というのは、以前から記すように「米国にとってネガティブ」ばかりという訳ではありません。
“米貿易赤字縮小⇒ドル買い”の可能性は残っており、リスク回避時の動きも“円買い一辺倒”から“円買い+ドル買い”へと変わっています。
当該シナリオを崩すとされる“米経済の健全性が損なわれる(米経済指標悪化)”にしても、現時点ではその気配すら見られておりません。
そうなると「ドル売りが続かない」と考えるのが自然であり、「大きくは崩れない」と考えます。

“ECB理事会&ドラギ総裁・記者会見(26日)”が残り、無風通過と見られた“日銀金融政策決定会合(30-31日)”もきな臭くなりつつあります。
このためスケジュール的には「(見極めるまで)積極的なポジション形成は手控えられる」になりやすいと見られるものの、しかしトランプ砲の影響から「イメージは下方向(ドル売り・円買い)」…。
少し早いかもしれませんが、やはり「押し目を拾う」で考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.958(7/19~7/23の50%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値4:111.772(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:111.673(7/19~7/23の38.2%戻し)
上値2:111.538(7/23-24高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:111.405(週足・一目均衡表先行スパン上限)
前営業日終値:111.201
下値1:111.019(週足・一目均衡表先行スパン下限、大台)
下値2:110.963(7/24安値、ピボット1stサポート)
下値3:110.748(7/23安値)
下値4:110.639(5/29~7/19の50%押し、週足・一目均衡表転換線、ピボット2ndサポート)
下値5:110.565(50日移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:27 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想