期待した米雇用統計は不発 - 小動き(揺れ動き)は続く

著者:武市佳史
投稿:2018/07/09 10:28

◆米・中追加関税発動+米雇用統計⇒それでも動かず…

※ご注意:予想期間は7月10日と表示されていますが、本日(7月9日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


注目の“米・中追加関税は発動”されたものの、想定通り「大きなドル売りにはつながらない」を地で往く動きでした。
一方で“米雇用統計が不発”に終わり、「上値の重さも相変わらず」でした。
“110円半ばを中心とした揺れ動き(小動き)”は続き、いまだ“方向感が見出せない状況”が続いています。

◆もっとも雇用統計を含む米経済指標は「そう悪い数値ではない」

もっとも“労働参加率の上昇”を鑑みれば、米雇用統計は「そう悪い数値ではありません」。
同時刻に発表された“米貿易収支(赤字)”も「2016年10月来の水準に減少(-430.5億ドル)」しているなど、懸念された「米景気悪化の兆候」も見られませんでした。
このためイメージは“関税発動+不発⇒小幅ながらも反落(ドル売り)”となっていますが、「あくまで一旦のポジション調整」と考えるのが自然です。

◆ただそれだけで「上値を模索できるか」といえば…!?

もっともそれで「上値を模索できるか?」と問われれば、“いささか材料不足”“(本日は)イベントも不在”と返さざるを得ないところでもあります。
“200日移動平均線(本日は110.141円)”を明確に割り込まない限り、「押したところは買い拾い」と考えますが、「本日も小動き」と捉えておく必要はありそうです。
“突発的な要因”でも飛び込んでこない限り…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.183(5/22高値、7/2高値)
上値4:111.080(ピボットハイブレイクアウト、大台)
上値3:110.930(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:110.781(7/6高値、7/3~7/4の61.8%戻し)
上値1:110.678(ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:110.425
下値1:110.275(7/4-5安値、6/25~7/3の50%押し、ピボット1stサポート)
下値2:110.141(200日移動平均線、日足・一目均衡表基準線、100/50週移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値3:110.000(大台、6/28安値、5/29~7/3の38.2%押し、6/25~7/3の61.8%押し、50日移動平均線)
下値4:109.874(ピボットローブレイクアウト)
下値5:109.751(週足・一目均衡表転換線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:49 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想