日経平均はほぼ3ヶ月ぶりの安値となり

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/07/04 16:58

新興市場は連日で年初来安値を更新しました

けさは、米国株安や円高ドル安を受けて安く始まり、米国株がハイテク株主導で下落したことから半導体関連銘柄を中心に売られました。

6日に米国と中国が互いの製品に追加関税を発動する見通しとなっているため、中国経済の減速懸念から中国関連銘柄も下落して相場の重しとなりました。

午前に下げた上海株市場が午後は比較的落ち着いた動きとなったことから、先物に買い戻しが入って下げ幅を縮小するなか、日経平均は4月12日以来ほぼ3ヶ月ぶりの安値となった一方で、TOPIXは3日ぶりに小反発して終わっています。

米国市場では特許問題に絡んで一部製品の中国での販売を禁止されたと伝わった半導体のマイクロン・テクノロジー株が大幅下落しましたが、中国での販売差し止めがほかの米メーカーにも広がると、半導体製造装置や部材を納入している日本企業の業績にも影響が出るとの警戒感から半導体関連株に売りが広がりました。

東証1部の売買代金は2兆1275億円と7営業日ぶりの低水準で終わり、騰落銘柄数は値上がり956銘柄、値下がり1066銘柄、日経225採用銘柄では値上がり108銘柄、値下がり112銘柄となっています。

日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数はともに3日続落して連日で年初来安値を更新しました。

日経平均は、3日連続でボリンジャーバンドの-2σ(今日現在:21778円)を下回っています。

統計上は株価が+2σと-2σの間で推移する確率は約95.5%となっていますので、水準としてはいつリバウンドしてもおかしくない位置まで下落していることになります。

日経平均のテクニカル指標はおおかたが底値圏を示唆する状態が続いていますが、やはり米系の投資家が休暇入りで市場参加者が減るなか、短期筋の売り仕掛けがうまくいっている状況では買いづらい雰囲気となってしまいます。

金曜日の6月米雇用統計発表まで続く重要経済指標にも注目が集まっており、様子見ムードから低調な売買代金も継続しています。

来週は7月限SQを週末に控えており、荒れるSQ週になることにも警戒感があります。

現在の株価水準がかなり下がった位置ですので、今回は上に荒れる期待も一方ではあります。

いつリバウンド入りしてもおかしくない位置まで下落していますので、基本的には下がったところでは段階的に余裕を持って買い下がるスタンスでいいと思いますが、戻し始めるきっかけがなかなか見当たりづらい状態です。

新興市場では日経ジャスダック平均が一時昨年11月以来となる約7ヶ月ぶりの安値となり、東証マザーズも一時約10ヶ月ぶりの安値となって、ともに年初来安値を更新しています。

ただこの安値更新は新興市場にとっては押し目買いの好機ととらえられるきっかけになってくるかもしれません。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想