“リスク回避⇒円一極集中”も、今は昔…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/06/20 10:39

◆「米中貿易戦争懸念」再燃 - 110円割れ

※ご注意:予想期間は6月21日と表示されていますが、本日(6月20日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


にわかに再燃した「米中貿易戦争懸念(リスク回避姿勢)」は、ドル円を“110円割れ”へと導きました。
しかし欧州タイム序盤にはすでに“ピークアウト”を迎え、一時は“109.550円”まで突き落とされたドル円でしたが、その後は“緩やかに巻き戻される”展開となっています。

◆「いずれは着地する」…?

確かに「(米中双方が)追加措置を検討」とされれば、懸念が再燃するのは無理からぬところです。
しかし“影響が大きい品目(中国:TV等、米国:航空機等)”に関しては「こっそりリストから削除」されているのが実状であり、「米中貿易戦争に発展」というよりは「互いに譲歩を引き出すディール」と考えるのが自然です。
そうなると「いずれは着地する⇒リスク回避一辺倒にはなりづらい」と考えることは、“十分可能”ということになります。

◆“リスク回避⇒円一極集中”も、今は昔…!?

もう一つ、“円一極集中”だった以前とは異なり、現在のリスク回避フローは“円買い・ドル買い”と分散されやすくなっています。
もちろんファーストアクションは“円買い優勢”が多いですが、それでも“円買い圧力は限定されすい”と見るのが自然です。
…となると、背景にある“日米欧金融当局の立ち位置の違い”が効いてくる…?

想定していた以上に「下げた」格好ですが、「ドル買いトレンドは継続」と見て、「押したところはしっかり買い拾い」を続けたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.000(大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:110.914(5/23高値、6/15高値)
上値3:110.573(6/19高値、ピボット1stレジスタンス)
上値2:110.382(6/15~6/19の61.8%戻し)
上値1:110.223(6/15~6/19の50%戻し、200日移動平均線、50週移動平均線)
前営業日終値:110.084
下値1:109.919(6/14安値、100週移動平均線)
下値2:109.751(日足・一目均衡表基準線、20日移動平均線)
下値3:109.550(6/19安値、5/29~6/13の50%押し、週足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値4:109.314(6/11安値、50日移動平均線)
下値5:109.197(6/8安値、5/29~6/13の61.8%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:05 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想