先週末と「何ら状況は変わっていない」…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/06/18 11:12

◆“買い戻し”優勢も、“上値の重さ”は継続

※ご注意:予想期間は6月19日と表示されていますが、本日(6月18日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“米中貿易戦争懸念”は燻り続けたものの、それを背景にした“円買い”は長くは続きませんでした。
「利上げペースアップ(FOMC)」「出口を迎えるが、利上げはまだまだ(ECB)」「出口が見えない(日銀)」という“日米欧金融当局の立ち位置(方向性)の違い”が、改めて示されたからです。
このためドル円には“買い戻し圧力”がかかり、一時は前日高値を上回る“110.896円”へと上値を伸ばす場面も見られました。
ただ想定した“上値メド(5/23高値:110.914円)”を越え切ることはやはり叶わず、“上値の重さ”を引きずったまま先週末の取引を終えています。

◆そして週明けは“上値の重さ”が先行中

週明けとなる本日は、この“引きずった動き”に、今朝方発生した“大阪北部地震”の影響が加わっています。
このため“上値の重さ”が先行しているように見え、先週末の上値を削っています。
しかし本日は「中国/香港/台湾市場が休場(端午節)」であり、“動意が乏しい”と見るのが自然です。

◆「不意の乱高下」には注意が必要だか…?

もちろん“方向感が定まらない”の中での“流動性低下”は、「不意の乱高下」に注意をしておく必要があります。
しかし“リスク回避の円買い”は「一時的となる可能性が高い」といわざるを得ず、それを除けば先週末と「何ら状況は変わっていない」ということになります。
「上値重いが、それ以上に下値は堅い」を基本として、本日もマーケットと対峙したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.393(5/21高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:111.259(20月移動平均線)
上値3:111.183(5/22高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:111.000(大台)
上値1:110.914(5/23高値、6/15高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:110.658
下値1:110.390(6/15安値、ピボット1stサポート)
下値2:110.227(200日移動平均線、50週移動平均線)
下値3:110.142(ピボット2ndサポート)
下値4:110.047(日足・一目均衡表転換線、大台)
下値5:109.919(6/14安値、100週移動平均線、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:27 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想