“ガンマトレード(収斂圧力)”が下値を支える…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/06/08 10:51

◆“ポジション調整(利益確定売り)”優勢も、“リスク回避”には傾斜せず…

※ご注意:予想期間は6月9日と表示されていますが、本日(6月8日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


想定通り、昨日は「ポジション調整(利益確定売り)」に押されました。

カナダG7首脳会議に関しては“対立?”との思惑が先行しており、米朝首脳会談に関しては“不透明感”が拭えないからです。
米10年債利回りが“2.95%⇒2.88%”に急低下する場面もあり、ドル円は一時109.479円へ下値を広げました。

もっともNYダウは“3月9日来の高値(25241ドル)”で引けているなど、決して“リスク回避に傾斜”というわけではありません。
このため下値は限定されやすく、“2.92%”へ持ち直した米10年国債利回りに引っ張られる形でドル円は109円後半へと押し戻されていきました。

◆このため“下値は限定されやすい”と見るのが自然

「積極的な売買は手控え⇒ポジション調整(利益確定売り)」という構図は、リスクイベントを控えた局面では“往々に見られる”ことです。
一方で「リスク回避に傾斜」というわけではないことから、“下値は限定されやすい”と考えるのが自然です。

もちろんカナダG7は「貿易摩擦問題を巡って対立」という可能性が少なくありませんので、来週初に“リスク回避⇒円高”が勢いを増す可能性はゼロではありません。
しかし昨日も記したように、来週初(12日)に向けて“110.00円設定のオプション”が続々と「行使期限を迎える」というスケジュール感です。
“ガンマトレード(オプションで設定した方向とは逆の取引、収斂圧力がかかりやすい)”が期待される局面であり、「大きく乖離する展開は期待薄」と見るのが自然です。

◆イメージは「積極的な売買は手控え⇒ポジション調整(利益確定売り)」だが…?

イメージとしては、本日も「積極的な売買は手控え⇒ポジション調整(利益確定売り)」でしょうが…。
「110円ラインを中心とした揉みあい(レンジ)」を基本とし、「高いところをついて行く」は手控えながらも、しかし「押したところはしっかり拾う」を継続したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.381(ピボット1stレジスタンス)
上値4:110.261(6/6-7高値、50週移動平均線)
上値3:110.188(200日移動平均線)
上値2:110.962(6/7高値後の61.8%戻し、大台)
上値1:109.810(100週移動平均線、日足・一目均衡表基準線、6/7高値後の50%戻し)
前営業日終値:109.693
下値1:109.471(6/5安値、6/7安値)
下値2:109.372(6/4安値、5/29~6/6の38.2%押し、ピボット1stサポート)
下値3:109.185(5/29~6/6の50%押し、日足・一目均衡表転換線、週足・一目均衡表基準線)
下値4:109.004(週足・一目均衡表転換線、大台、ピボット2ndサポート)
下値5:108.930(5/29~6/6の61.8%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:06 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想