注目は「110円トライの有無」…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/06/04 11:00

◆1円超の急反発も、110円トライには発展せず…

※ご注意:予想期間は6月5日と表示されていますが、本日(6月4日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“イタリア&スペイン政局懸念”がさらに後退する中、注目の米雇用統計は“ほぼ満額回答”、その他米経済指標も“強め”という結果でした。
米10年国債利回りが“2.82%⇒2.92%”へと切り返し、NYダウが一時250ドル超の急反発を見せる中、“もう一段の巻き戻し”が入ったドル円は109.759円へと上値を伸ばしました。
東京タイムから見ると“実に1円超の急反発”といえますが、“週末”を控えていることもあり「110円乗せトライ」に発展することなく取引を終えています。

◆このため注目は「110円トライの有無」

このため本日の注目は「110円トライの有無」と見るのが自然です。
“イタリア&スペイン政局懸念”が後退しているのは後押し要因ですが、「安定的な政権運営ができるか?」は未知数といわざるを得ません。
またひとまず和らいでいる“米中貿易戦争懸念”にしても、「いつ懸念が噴き出すかわからない」という不透明感を抱えています。
“イメージ先行でマーケットは動く”ということを鑑みれば、「上値の重さは相変わらず」と考えざるを得ないところはあります。

◆「乗せ切れるか」は微妙だが…?

ただし米景気動向の好調さが示されたことで、「ドル円を売り込む要因が後退」という事実があります。
そして全てをなぎ倒す破壊力を秘めた“リスク回避姿勢”にしても、「円買いと共にドル買いを促す要因」として機能している実状を考えると、仮に台頭しても「ブレーキがかかりやすい」と考えることは可能です。

オーダー状況を見ると、“109.80-110.00円”にはドル売りオーダーが積み上がっていますので、乗せ切れるかは微妙といわざるを得ません。
しかし“109.50-30円”のドル買いオーダーは厚く、さらに“109.20-10円”にもズラッと並んでいることが散見されており、「大きく下がるは期待薄」…。
そう考えると、「乗せ切れるか?」は別にしても、「110円トライは見せる」…?
引き続き、「押したところはしっかり買い拾い」とみたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.185(200日移動平均線、5/21~5/29の61.8%戻し)
上値4:110.049(5/24高値、大台)
上値3:109.913(ピボット1stレジスタンス)
上値2:109.798(5/25-28高値、6/1高値、5/21~5/29の50%戻し、20日移動平均線、日足・一目均衡表基準線、100週移動平均線)
上値1:109.666(日銀短観想定レート)
前営業日終値:109.502
下値1:109.417(6/1高値後の押し目)
下値2:109.189(週足・一目均衡表基準線)
下値3:109.110(5/29~6/1の38.2%押し)
下値4:109.004(週足・一目均衡表転換線)
下値5:108.918(5/29~6/1の50%押し、ピボット1stサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

16:10 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想