円買いのみならず、ドル買いの要因でもある…!? - 最近のリスク回避姿勢
◆リスク回避姿勢一色
※ご注意:予想期間は5月31日と表示されていますが、本日(5月30日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。
見誤った…、イタリア政局不安で「ここまでリスク回避が進むか」…。
伊10年国債利回りは2014年3月以来の3.38%へ急上昇、同2年国債利回りは2013年6月以来の2.73%に達する中、マーケットは“リスク回避姿勢一色”へと傾きました。
ユーロ円急落につれて円は全面高となり、これがドル円にも波及しました。
下値メドと見ていた“109.00-108.80円のドル買いオーダー”を欧州タイムに割り込むと、NYタイム中盤には4月23日以来となる“108.108円”まで売り込まれました。
「さすがに下げ過ぎ?」との見方からその後は買い戻されましたが、“上値の重さ”そのものは変わりませんでした。
◆「下げ止まりを確認するまで…」が働きやすいところ
こういった流れになってしまうと、「しっかりと下げ止まりを確認するまで…」との意識が働きやすいと見るのが自然です。
“イメージは下方向”へと傾き、“押し目買いより戻り売り”が囃されると見られます。
ただし忘れてはならないのは、最近のリスク回避姿勢は“円買い”のみならず“ドル買い”にも作用する要因となっていることです。
このため“リスク回避⇒円買い”となって下落しても、「ドル円にはブレーキがかかりやすい」と考えることが可能ということになります。
◆ただ“節目の108円割れ”には失敗…?
もちろんリスク回避時の円買いは、“ドル買いよりも勝る”が常ですので、「底を打ったか?」に関してはしっかりと見極める必要があります。
しかし“3/23~5/21の50%押し(107.989円)”と重なる“108円ライン”の割り込みには失敗した格好となっているだけに、その可能性は残ります。
“見極める必要有”を考えると「安易に買い拾い」とはいえず、“見誤った直後”を考えれば「慎重にならざるを得ない」ということになりますが、「昨日の下落は往き過ぎ」と考えて臨みたいところです。
◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:109.666(日銀短観想定レート、20日移動平均線、100週移動平均線)
上値4:109.464(5/29高値、ピボット1stレジスタンス)
上値3:109.363(5/21~5/29の38.2%戻し)
上値2:109.152(5/28~5/29の61.8%戻し、週足・一目均衡表基準線)
上値1:109.000(大台、5/28~5/29の50%戻し)
前営業日終値:108.709
下値1:108.543(週足・一目均衡表転換線)
下値2:108.287(50日移動平均線)
下値3:108.108(5/29安値、100日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値4:107.989(3/23~5/21の50%押し、大台)
下値5:107.653(4/23安値、日足・一目均衡表先行スパン上限)
※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。
11:34 ドル円 抵抗・支持ライン追加
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