■要約
トライステージ<2178>は、通販事業者に対して主にテレビ放送番組枠を使ったダイレクトマーケティング支援事業を手掛け、テレビ通販の放送枠では業界トップシェアを握る。子会社で、DM事業を展開するほか、2017年2月期にはM&Aで東南アジアのダイレクトマーケティング企業2社を子会社化するなど海外事業も本格的に立ち上げた。また、2017年3月に国内でWeb広告事業を展開する(株)アドフレックス・コミュニケーションズ(以下、アドフレックス)を子会社化し、テレビ事業やDM事業とのシナジーを生かした事業展開を進めていく戦略となっている。
1. 2018年2月期業績は増収減益に
2018年2月期の連結業績は、売上高で前期比17.9%増の55,775百万円、営業利益で同26.0%減の1,032百万円となった。売上高はDM事業の拡大やM&A効果(Web事業や海外事業の拡大)により3期連続で増収となったものの、主力のテレビ事業の収益性悪化や、新規事業として開始した通販事業の立上げ負担増が減益要因となった。テレビ事業では顧客の出稿意欲が伸び悩むなか、上期において特定顧客に対する売上値引き117百万円が一過性損失として発生したこと、下期は主に成果報酬型取引の顧客における販売効率が低下したことで値引きが発生したことが減益要因となった。また、通販事業については主に漢方薬の販売を展開し、売上高で65百万円、営業損失で237百万円となった。
2. 2019年2月期業績は減収減益見通し
2019年2月期の連結業績は、売上高で前期比1.8%減の54,786百万円、営業利益で同19.6%減の830百万円と減収減益となる見通し。テレビ事業とDM事業を減収減益で見込んでいることが主因だ。テレビ事業ではメディア仕入枠を絞り込み、粗利益率の改善を進めるものの、成果報酬型契約の見直しを進めるなかで一部失注するリスクを織り込んでいることや、前期の業績悪化を受けて絞り込んだ賞与分の人件費が通常ベースに戻ることが減益要因となる。一方、DM事業はヤマト運輸(ヤマトホールディングス<9064>)によるDM送料値上げの影響により減収減益を見込む。ただ、会社計画は保守的な印象で、業績が更に下振れする可能性は低いと弊社では見ている。
3. 新中期経営計画を発表
同社では2021年2月期までの3ヶ年中期経営計画を新たに発表した。グループビジョンとして「ダイレクトマーケティングからダイレクトデータマーケティングへ」を掲げ、2021年2月期に連結売上高600億円、営業利益率4.5%を目標に掲げた。TV及びDM事業は安定収益事業として収益性の改善に注力し、それ以外の事業は成長事業として売上増による利益増に取り組んでいく。2018年2月期に損失計上している通販事業は2020年2月期、海外事業は2021年2月期に黒字化する見通しだ。主力のテレビ事業では顧客企業が保有するカスタマーデータと同社が保有する広告情報や番組制作、コールセンターの運営ノウハウ等を統合・分析することで、新規顧客獲得からLTV(顧客生涯価値)の向上まで総合的にダイレクトマーケティングを支援していく体制を構築することで安定成長を目指す。ダイレクトマーケティング市場ではここ数年、EC市場が拡大傾向にあるため、テレビとWebを組み合わせたクロスメディア戦略にも取り組んでいく。
4.株主還元策
同社は株主還元として配当のほか株主優待を実施している。配当については業績・財務状況を勘案して柔軟に対応していく方針とし、2019年2月期は1株当たり7.0円(連結配当性向51.7%)を予定している。また、株主優待については、400株以上2,000株未満の株主に対して1,000円相当、2,000株以上保有の株主に対しては、5,000円相当のQUOカードを年2回(2月末、8月末株主)贈呈する。配当金とQUOカードを合わせた年間投資利回り(400株保有株主)は、現在の株価水準(4月13日終値444円)で計算すると2.7%の水準となる。
■Key Points
・ダイレクトマーケティング支援事業が主力、M&Aにより業容を拡大中
・2019年2月期は今後の成長に向けた準備期間と位置付け、収益性向上とグループシナジーの創出に注力
・長期的な成長に資するDDM基盤の構築を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MH>
トライステージ<2178>は、通販事業者に対して主にテレビ放送番組枠を使ったダイレクトマーケティング支援事業を手掛け、テレビ通販の放送枠では業界トップシェアを握る。子会社で、DM事業を展開するほか、2017年2月期にはM&Aで東南アジアのダイレクトマーケティング企業2社を子会社化するなど海外事業も本格的に立ち上げた。また、2017年3月に国内でWeb広告事業を展開する(株)アドフレックス・コミュニケーションズ(以下、アドフレックス)を子会社化し、テレビ事業やDM事業とのシナジーを生かした事業展開を進めていく戦略となっている。
1. 2018年2月期業績は増収減益に
2018年2月期の連結業績は、売上高で前期比17.9%増の55,775百万円、営業利益で同26.0%減の1,032百万円となった。売上高はDM事業の拡大やM&A効果(Web事業や海外事業の拡大)により3期連続で増収となったものの、主力のテレビ事業の収益性悪化や、新規事業として開始した通販事業の立上げ負担増が減益要因となった。テレビ事業では顧客の出稿意欲が伸び悩むなか、上期において特定顧客に対する売上値引き117百万円が一過性損失として発生したこと、下期は主に成果報酬型取引の顧客における販売効率が低下したことで値引きが発生したことが減益要因となった。また、通販事業については主に漢方薬の販売を展開し、売上高で65百万円、営業損失で237百万円となった。
2. 2019年2月期業績は減収減益見通し
2019年2月期の連結業績は、売上高で前期比1.8%減の54,786百万円、営業利益で同19.6%減の830百万円と減収減益となる見通し。テレビ事業とDM事業を減収減益で見込んでいることが主因だ。テレビ事業ではメディア仕入枠を絞り込み、粗利益率の改善を進めるものの、成果報酬型契約の見直しを進めるなかで一部失注するリスクを織り込んでいることや、前期の業績悪化を受けて絞り込んだ賞与分の人件費が通常ベースに戻ることが減益要因となる。一方、DM事業はヤマト運輸(ヤマトホールディングス<9064>)によるDM送料値上げの影響により減収減益を見込む。ただ、会社計画は保守的な印象で、業績が更に下振れする可能性は低いと弊社では見ている。
3. 新中期経営計画を発表
同社では2021年2月期までの3ヶ年中期経営計画を新たに発表した。グループビジョンとして「ダイレクトマーケティングからダイレクトデータマーケティングへ」を掲げ、2021年2月期に連結売上高600億円、営業利益率4.5%を目標に掲げた。TV及びDM事業は安定収益事業として収益性の改善に注力し、それ以外の事業は成長事業として売上増による利益増に取り組んでいく。2018年2月期に損失計上している通販事業は2020年2月期、海外事業は2021年2月期に黒字化する見通しだ。主力のテレビ事業では顧客企業が保有するカスタマーデータと同社が保有する広告情報や番組制作、コールセンターの運営ノウハウ等を統合・分析することで、新規顧客獲得からLTV(顧客生涯価値)の向上まで総合的にダイレクトマーケティングを支援していく体制を構築することで安定成長を目指す。ダイレクトマーケティング市場ではここ数年、EC市場が拡大傾向にあるため、テレビとWebを組み合わせたクロスメディア戦略にも取り組んでいく。
4.株主還元策
同社は株主還元として配当のほか株主優待を実施している。配当については業績・財務状況を勘案して柔軟に対応していく方針とし、2019年2月期は1株当たり7.0円(連結配当性向51.7%)を予定している。また、株主優待については、400株以上2,000株未満の株主に対して1,000円相当、2,000株以上保有の株主に対しては、5,000円相当のQUOカードを年2回(2月末、8月末株主)贈呈する。配当金とQUOカードを合わせた年間投資利回り(400株保有株主)は、現在の株価水準(4月13日終値444円)で計算すると2.7%の水準となる。
■Key Points
・ダイレクトマーケティング支援事業が主力、M&Aにより業容を拡大中
・2019年2月期は今後の成長に向けた準備期間と位置付け、収益性向上とグループシナジーの創出に注力
・長期的な成長に資するDDM基盤の構築を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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