少し流れに逆らう形になるが…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/05/24 11:51

◆円全面高 - 大荒れの一日

※ご注意:予想期間は5月25日と表示されていますが、本日(5月24日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


そこまで崩れるか…?

トルコリラ急落に伴うリスク回避姿勢は、猛烈に円買いをプッシュしました。
これにこれまで“ユーロ売り⇒ドル買い”として機能してきた欧景気減速懸念が、昨日は“ユーロ売り⇒円買い”として重なったことで、“円全面高”が進行しました。
この影響でドル円は一時109.556円へと急落、その後110円前半へ戻す場面も見られましたが、まさに“大荒れの一日”だったといえます。

◆“ドル買い”が入りにくくなっているのは事実…?

FOMC議事録は“概ね想定通り”でしたが、“利上げペースへの思惑(期待感)”に関しては後退した格好といえます。
この影響で米10年債利回りは3%を割り込んでおり、“ドル買い”が入りにくくなっているのは事実です。
さらに最も警戒すべき“リスク回避姿勢(円買い)”も絡んでいることを考えれば、「もう一段の下落(調整)」は覚悟せざるを得ないのかもしれません。

◆ただ「109円半ば~前半は買い下がり」で対応したい…!?

しかしこれは同時に“NYダウを押し上げる要因”となる可能性があり、またそもそもの背景にある原油価格は“高止まり”のままです。
つまり「中期的なドル買いの流れは変わっていない」という可能性が高く、「下がったところはすぐに買いの手が振られる」と考えることも可能ということになります。

“200日移動平均線(同110.195円)/20日移動平均線(同109.777円)”を相次いで割り込むなど、テクニカル的には決して芳しいとはいえません。
しかし昨日安値は“日銀短観の想定レート”と同水準であり、前記ファンダメンタルズの後押しも期待できるところです。

イメージ的には「もう一段の下落」が懸念されますが、「109円半ば~前半は買い下がり」で対応したいところです。
少し流れに逆らう形になりますが…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.691(5/21~5/23の61.8%戻し)
上値4:110.474(5/21~5/23の50%戻し)
上値3:110.345(50週移動平均線
上値2:110.258(5/21~5/23の38.2%戻し)
上値1:110.190(200日移動平均線)
前営業日終値:110.085
下値1:109.819(20日移動平均線
下値2:109.657(100週移動平均線、日銀短観想定レート)
下値3:109.556(5/23安値)
下値4:109.456(ピボット1stサポート)
下値5:109.285(日足・一目均衡表基準線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:20 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想