今の相場は、儲けるのに苦労して、四苦八苦の人と、軽やかに売り買いして、着実に儲けを蓄積している人と、二極分化しているように感じます。特に苦労している人は、有名企業中心の大型株派です。個人投資家ではありませんが、大手の機関投資家の多くは四苦八苦でしょう。
一方、個人でも動きについて行くタイプも実は結構苦労しているかもしれません。動き始めると、短期で急騰はするのですが、すぐ方向性が変わってしまって、売り損ねると大変です。
結局今の相場は、ファンダメンタル優位で、一気には上がらないのですが、飛びついた人を振り落として、着実に上値を切り上げている銘柄が増えています。
典型的には昨年も何回も当コラムで取り上げたニトリホールディングス(9843)があります。2017年2月期決算の予約為替が大幅な円安にもかかわらず増益を維持して、予約為替が円高に転じている今期見通しが大幅増益だったことから、前期決算を発表した3月末から急騰しました。
しかし、急騰しすぎていたため、第1四半期決算前に天井を付けたのですが、出てきた第1四半期決算で急落を演じました。実は別に悪い内容ではなかったのですが、ちょっと発表内容がわかりにくかったために、株価が下がると、たまらずに売り物が殺到しました。
そこで、当コラムで7月半ばに、なぜ悪く見えたかを解説し、強気の買いを指示しました。
その時の記事がこちら。7月18日付です。
https://money.minkabu.jp/62130
案の定、1ヵ月ちょっとで再び年初来高値を更新しています。その辺りの事情を知らずにこういった株に手を出すと、あっという間に火傷をすることになります。
このような株は、特に材料で動くわけでもなく、丹念に業績内容を吟味することでしか儲けることのできない株ということになります。
今回紹介するのは加工食品卸売業の三菱食品(7451)です。加工食品卸売業の現状の環境はいいのですが、同社は今期物流センター投資を行うため、微増益予想です。しかも、第1四半期決算は15%ほどの減益でした。とても買えないというのが、内情を知らない人の見方でしょう。しかし、これは第1四半期に3ヵ所の物流センターが稼働したためで、第2四半期以降徐々にマイナス効果が薄れて、増益に転換する可能性が高くなっています。株価もその辺りの事情を反映して、大幅減益決算以降にじり高になり始めています。
なお詳細はこちらのレポートをご覧ください。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/1017
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