5月も半ばを過ぎると、3月決算が一通り終わったことを受けて、改めて精査して向こう数カ月買われそうな銘柄をピックアップする作業が始まります。そして、今回の決算の中から業種ごとの業績の方向性もはっきりしてきますので、物色される銘柄群も徐々に明らかになってきます。
これまでも順調で、株価も上昇傾向にあり、今期も着実な業績が続きそうなところは、今後も着実に上がる可能性があります。しかし、一番注目を集めそうな銘柄は、これまでは先行きが厳しそうで、株価も低迷していたのですが、決算発表によって、その見通しが修正されたような銘柄です。
そんな銘柄の1社が日特エンジニアリング(6145)ではないでしょうか。輸出企業で、景気敏感ですから、なかなか積極的には手掛けにくく、株価もこの1年ほど低迷していました。しかし、終わった決算は減益だったのですが、今期の見通しが50%ほどの増益でした。
同社は小型巻き線機の世界トップ企業です。巻き線機とはコイルを製造する装置です。コイルは電気回路に不可欠な受動部品ですが、自動車のエレクトロニクス化で、今や電気製品から自動車に需要が大きくシフトしています。
自動車では電気回路だけではなく、モーターも数多く使われていますし、センサーも使用量が増大しています。そのどちらにもコイルが不可欠です。特に自動運転ではモーターやセンサーの使用量が大きく増えることが見込まれます。
株価はすでに動き始めていますが、特に同社のような特殊な会社はカバーしているアナリストも少なく、決算が出て、説明会があって、それから多くの投資家は本格的に調べ始めます。説明会自体が今週末ですので、まだまだ今回のサプライズが株価に織り込まれているとは言えない状況です。PERもPBRが低いことがそれを物語っています。
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