Q:TPA理論は、適正価格ゾーンからの売られ過ぎ、買われ過ぎの反転を狙うものだと認識しています。
適正価格ゾーンとは、移動平均線の乖離、株のPER、PBR、過去の高値・安値、などが指標として浮かびます。
質問なのですが、適正価格ゾーンの指標は、他にありますか。また、適正価格ゾーンはファンダメンタルズの変化などにより、刻一刻と変化するものという考え方でよろしかったでしょうか。
TPA理論は転換点の見極めが重要ですが、ほぼ同じ意味で、適正価格ゾーンの見極めが重要という理解でよろしかったでしょうか。
A:適正価格は、ファンダメンタルズ的に「あるべきはず」のものとの理解で、いいかと思います。
例えば、為替レートでの適正価格として通常用いられる「購買力平価」は、同じモノやサービスを買う通貨の価値は、同じであるべきはずとの考えから、複数の国の同じようなモノやサービスをパッケージ化したものの価格を比較します。
ところが、文化や生活習慣の違いからくる価値観から、複数の国で同じものが同じように評価されているとは限りません。例えば、オーストラリアでは朝食の伴とも見なされているベジマイトは、オーストラリア人なら多少高くても買いますが、日本人は安くても買いません。また、昆虫を食べる国や地方は多いですが、一般的だとは言えません。畳生活の3平米と、テーブルとイス生活での3平米とには使い勝手に大差があります。つまり、同じものなら、同じ価値が「あるべきはず」と考えること自体に無理があります。
金利差なども同様で、貯蓄率や運用ニーズ、他の投資物件など、可能な限りすべての要因を考慮しないと、「あるべきはず」の適正価格は出てきません。仮にあらゆる要因を考慮でき、数値化できたなら、適正価格は「あるべきはず」といっていいかと思います。
その意味で、トレンドラインにチャンネル的に挟まれた内側には、その期間における適正価格ゾーンが「あるべきはず」です。ある期間の移動平均線の周辺には、その期間の適正価格ゾーンが「あるべきはず」と見なしても、間違いではないと考えます。もっとも、市場価格が常に振れるように、需給をも反映した適正価格ゾーンもそれなりに振れます。
つまり、「適正価格ゾーンの見極めが重要」ということはありません。なぜなら、適正価格ゾーンらしきものは常に見えているからです。また、「何をもって適正価格とするか」は、いわば学者の机上のお遊びで、資金運用者にはほとんど関係のないものです。
とはいえ、適正価格は「あるべきはず」で、市場価格はその引力から逃れるように買われ過ぎ、売られ過ぎへと離れ、限界点で引き戻され、反対側の売られ過ぎ、買われ過ぎへの限界点に向かうというイメージです。
そう考えると、丁度ボールを真上に投げた時の頂点からの下げ始め、ここで売るのが最も効率的だとなります。相場はそこまで単純ではないですが。
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