株価の下落がきつい。
大きな機関投資家や投信(ミューチュアルファンド)は、独自の相場観に基づいた投資は行わない。日本株を例にあげれば、ほとんどのファンドマネージャーやエコノミストたちが、17000円割れはないと見ている時に、自分だけの判断で売り込むことはない。なぜなら、彼らが扱っているのは公の資金だからだ。
また、何らかの形で運用益を出さねばならないので、何かを売る時には、何かを買う。現状では株を売れば、債券を買うのだが、債券の利回りは低く、まともなリターンが得られない。
こういった急激な下げを演出するのはヘッジファンドや、大口の投機筋、仕手筋だ。彼らは私的な資金を扱っているので、自分たちの相場観でパワープレーを行う。ほとんどのファンドマネージャーやエコノミストたちが、17000円割れはないと見ている時には、売り込むことで、市場の動揺を誘うことができる。
投機筋が売り込んで、投機筋が買い戻せば、基本的に株価は当初のレベルに戻る。その場合は、投機筋のなかで早く売って、早く買い戻した者が勝ちとなる。しかし、大幅に売り込むことにより、これまで買っていた人たちの投げ売りを誘えば、投機筋全体の勝ちとなる。
投機筋は安値で買い戻すことで、ポジションは軽くなる上に、大きな利益を背景にしているので、更に売り込むことができるようになる。現状の株式市場は、そうした投機筋が売り回転できる状態にある。そして、株価水準だけが下がっていく。
ここまで下げられると、大きな機関投資家や投信(ミューチュアルファンド)を含む買い手は、損失を被っているので、大きな買いを入れるのが困難になる。
今、元気なのは、ヘッジファンドなどの投機筋だ。大きな戻しも、彼らの動向に頼らねば期待薄となる。世界の金融市場は、こういったパワープレーにしてやられた様相が強いと見ている。
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