小次郎講師のボリンジャーバンド解説その13、「ボリバン極意の書!続き」

投稿:2015/09/01 11:09

「コジテク(小次郎講師の使えるテクニカル分析講座)実践編」第64回、そして第2部第19回!


□皆さん、こんにちは、小次郎講師です。


■助手のムサシです。よろしくお願いします。

□今日はボリンジャーバンドの13回目。

■ボリンジャーバンドの解説も終盤です。

□そして本日はボリンジャーバンドの極意書の続き。

■それは楽しみです。その前に小次郎講師今月のお知らせ

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1、ボリバンを使って9つのパターンに分ける

※ユーロ円4時間足2015年7月16日~8月31日
★図1

□さて前回の復習からボリンジャーバンドを使って価格変動を9つのフェイズに分けるというのはもう出来るようになったかな?

トレンドで3種類、つまり上昇・下降・もみあいに分け、その後、バンド幅を見て、拡大・平行・縮小に分ける。つまり9種類ですね。

□上記チャートを見てごらん。①から⑨までにどうやって識別したかがわかるはずだ。まずはミッドバンドの傾きとローソク足とミッドバンドの関係で、上昇期か下降期かもみあいかに分ける。その後バンドワイズチャートを参考にしながら、さらに細分化していくと9種類になる。

上昇トレンド
・バンド幅拡大・・・①
・バンド幅安定・・・②
・バンド幅縮小・・・③
もみあい期
・バンド幅拡大・・・④
・バンド幅安定・・・⑤
・バンド幅縮小・・・⑥
下降トレンド
・バンド幅拡大・・・⑦
・バンド幅安定・・・⑧
・バンド幅縮小・・・⑨

■上記チャートを見ると④がないですね。

実はもみあい相場の中でバンド幅が広がるというのはほとんどない。もみあい相場は価格の動きは小さく買われれば売られる、売られれば買われるということを繰り返すのでバンド幅は大きくは変わらないのが通常。その変わらないバンド幅が縮小をはじめると、もみあい相場が終了すると予兆出来る。

■なるほど、ということで、もみあい期にはバンド幅の拡大は滅多にないんですね。

□だね。だから実際には9パターンというより8パターンかもしれない。④以外のパターンはチャート上でよく見かける。さてではこれからパターン毎にどういう状況かを説明したい。

■お願いします。

2、パターン別分析

□まずはパターン1

【パターン1】
・上昇期
・バンド幅拡大

□通常はスクイーズの後に起こる。トレンドの初期はパターン1となることにより上昇トレンドの発生が確認される。上昇トレンドの途中でバンド幅が広がるのも勢いが加速していることを示す。但し注意ポイントとしては上昇トレンドの最後の局面での急拡大はトレンドが過熱していることを表し、その後にはじけるように急落する可能性がある。

■それがボージですね。でも、トレンドの初期かどうかはすぐわかりますが、今がトレンドの中盤なのか終盤なのかということはわかりづらいですね。

ボージからの急落によりトレンド転換となるパターンは価格が逆Cカーブで上昇していく。

■逆Cカーブとは緩やかだった価格の上昇が次第にどんどん大きくなり、最後には垂直近くまで上昇する状態ですね。

□それは異常状態を示す。そしてそれが何故起こるかというと、売り勢力が価格の上昇を我慢仕切れず踏んだときにそうなる。

■「踏む」とは「投げ」の反対で、売方が大損覚悟で完全撤退をすることですね。今まで売方だった連中が買い決済を市場に出すわけですから価格が暴騰するのは当然ですね。

□それが出れば上昇相場はおしまい。このボージが大きければ大きいほど、その後は急落しやすいので注意が必要だ。

□続いてパターン2

【パターン2】
・上昇期
・バンド幅一定

■上昇期でバンド幅が一定というのは5本の線が平行に右肩上がりという状態ですね。

□そうだ。その状態が一番安定している状態。過熱もしていないし、勢いがなくなってもない。ということはこの状態が一番長続きする。「安定上昇期」と覚えておこう。

■このときがバンドウォークになりやすいですね。

□そういうこと。だから②は大きな買いシグナルと言える。


□続いてパターン③

【パターン3】
・上昇期
・バンド幅縮小

□これは上昇トレンドが勢いを失ったことを示す。トレンドの終盤では当然トレンド転換につながるきっかけだ。ただし、ここから再度バンド幅が拡大していくこともときにある。これが押し目の典型パターン。

■なるほど。ということはバンド幅が縮小していても、上昇トレンドが終了するかどうかはその時点ではわからないんですね?

□押し目となる可能性があるということだけ頭においておいて、やはりトレンドの終焉ということを想定して準備をしておく。それまで持っていた買い玉の処分を検討したい。

■トレンドの最後にバンド幅が拡大して終了するパターンと縮小して終了するパターンがありますが、どうしてですか?

□バンド幅が縮小してトレンドが終わるというのは上昇トレンドが次第に勢いを無くし、下降相場に移るという典型パターン。それに対してボージというバンド幅が急拡大してトレンドが終わるパターンは、売方の踏みが出てそれで上がるパターン。急騰するが、その後の急落も多いので注意が必要。

□続いてパターン④

【パターン④】
・もみあい期
・バンド幅拡大

□もみあい期には基本的にバンド幅は一定なので、バンド幅が拡大していくことはほとんどない。

■バンド幅が拡大していくとトレンド相場に変わっちゃいますからね。

□唯一「拡大型(逆)三角もちあい」のときに、これが出現する。通常の三角もちあいは先へ行くほど収縮していくのだが、この逆三角もちあいはどんどん広がっている。

★図2

□ただ、この拡大型の三角もちあいは滅多に出てこない。しかも出てきたとしてもすぐトレンド相場に変わってしまう。ということでパターン4はほとんどないと思っていい。


□続いてパターン⑤

【パターン5】
・もみあい期
・バンド幅一定

★図3

□典型的なもみあい相場。ミッドバンドは横這い。価格はその横這いのミッドバンドを中心に上がったり下がったりを繰り返す。バンド幅も一定。このときは、「バンドの上限で売る、バンドの下限で買う」という売買が有効になる。

■なるほど、ここでは逆張り相場が有効になるんですね。

□ボリンジャーバンドで逆張り相場が有効なのはこのパターン④のみと思うといい。

□続いてパターン⑥

【パターン⑥】
・もみあい期
・バンド幅縮小

もみあいからのスクイーズ。これがもみあいの終了を教えてくれて、新しいトレンドが生まれることを予兆する。

★図4

■上記図を見ると確かにそうなってますね。


□ボリンジャーバンドのスクイーズはもみあい相場の終わりを教えてくれるという重要な指標。もみあい相場ではなかなか利益を上げられない。ということで、もみあい放れをいかに素早く見つけて素早く仕掛けるかが大切だが、たいてい気がついたときには随分上がった後になる。

■なるほど、ボリンジャーバンドを使えば、もみあいの終了を示すサインが出てくるので、待ち構えていられるわけですね。それは大きい。

□パターン⑦⑧⑨はパターン①②③の裏返し。ということでまとめて解説する。

【パターン⑦】
・下降期
・バンド幅拡大
【パターン⑧】
・下降期
・バンド幅拡大
【パターン⑨】
・下降期
・バンド幅縮小

□下降相場のスタートはバンド幅拡大により始まる。やがて下降相場が安定するとバンド幅が横這いになる。これが長続きする下降相場。一般的に長期続く下降相場というのは上昇相場に比べて少ない。下降相場はつみあげていった上昇相場の崩れ。ということは一気に下がることが多い。

■少ないながらも、もし、下降トレンドがゆるやかで、バンド幅一定、ということはミッドバンドとその他の線が平行に右肩下がり、という状態を見つけたら、やはり売っていくということでいいんですか?

□そうだね。少ないながら、そういった下げ相場はある。安定下降相場が出来上がったらパターン⑧となるね。そして下降トレンドの終了は次第に下降が勢いを無くし、バンド幅が縮小で終了するというパターンが一般的だが、急落してバンド幅が拡大して、それにて下げトレンド終わりというケースもある。

■買い方の投げが出て急落したときなどですね。

□そういうこと。上昇トレンドとの違いは、上昇相場はじわじわと上がっていき、最後に逆Cカーブで上昇して終わりというケースがよくあるのに対し、下降トレンドでは、初期に一気に下がって、バンド幅が広がって、そのまま下降相場終了ということがある。いわゆる急落相場だ。

■なるほど。

□ということで、パターンを9種類紹介したが、前回の繰り返しになるが、①→②、⑦→⑧がトレンドを取るために重要なパターン。そしてもみあい放れを取るなら、スクイーズに注目して⑥→①、⑥→⑦という動きを捕まえたい。

■ありがとうございます。わかりやすかったです。

□ということで本日はここまで。ボリンジャーバンドはもう少し続く。さらに深めていくのでご期待を。

■起立、礼。

  
□第2部第19回講義終了。

■「起立、礼!」

□本日の講義をマスターしたなら、単位を2単位差し上げよう。
本日の単位数2  累計単位数38
中級テクニシャンまで後62単位!

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配信元: みんかぶ株式コラム