このところ相場は高値でこう着状態にあります。一方で、上がりすぎた株は、結構大きく下がっています。3月決算の発表を控えて、3月決算銘柄はちょっと怖くて手が出ないと言ったところでしょうか。
そこで、今回は2月決算企業ですでに発表が終わった中から、注目されそうな銘柄としてニトリホールディングス(9843)をピックアップしてみました。
同社は自社で企画、製造した家具を海外から輸入して、安売りの家具店として全国展開をしています。これがファーストステップとすると、セカンドステップとして、そのローコストで製造できるノウハウを生かして、従来よりも高機能なやや高めの価格帯を強化し始めました。
かつてユニクロのファーストリテイリングは、安売りの洋品店の時代があり、そこから独自開発の素材を使ってリーゾナブルな価格の高機能衣料を発売して、いまやカジュアルウエアやアンダーウエアのファッションリーダーに出世しています。
ニトリが今目指すものは、ユニクロと同様に安物家具の店から、高機能商品をリーゾナブルな価格で販売するショップへの脱皮です。
まずは、同社の最近の商品戦略が大きく変化しています。スタートはとにかくいかに安く売るということ始まり、そのために欠陥商品を販売してしまうこともありました。まさに、悪かろう安かろうの時代でした。
それでも、自ら企画し、徹底的に素材まで見直し、生産地も考慮して、ローコスト製品を供給する能力が向上し、安いけれども品質もいいという評価にまでなってきました。そして、このところさらにランクアップし、ローコストにプラスアルファとしてメーカーと組んで独自開発した素材によって、高機能な商品を供給し始めています。もちろん、その分は価格に上乗せされますが、他社がまねしようとしてもなかなか同社並みの価格では供給できません。
そして、それらを引っ提げて、いよいよ東京銀座に進出します。これによって、ブランド価値も一段と高まることによって、安売りの店からハイクオリティ・リーゾナブルプライスの店への変貌です。
一方で、今の日本で銀座に進出するということは、訪日外国人に取り込みにもつながります。いわゆるインバウンド需要です。そしてそれはやがて海外進出時のブランド強化にもつながって行きます。
ユニクロも今から10年前の銀座進出によって、安売り店からファッションリーダーに変貌しました。今、同社もまさに銀座進出によって家具のファッションリーダーとなる緒に就いたと言えるのではないでしょうか。
なお、4月1日から日経新聞の私の履歴書で、同社創業者の似鳥昭雄氏が掲載されています。ニトリの発展の歴史がつぶさにわかるとても面白い読み物になっていますので、ご一読ください。
なお、同社の業績データの詳細はこちらからレポートがダウンロードできます。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/847
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