小次郎講師のボリンジャーバンド解説その7、「スクイーズによる仕掛けシグナル!」

投稿:2015/03/02 11:14

「コジテク(小次郎講師の使えるテクニカル分析講座)実践編」第584回、そして第2部第13回!


□皆さん、こんにちは、小次郎講師です。


■助手のムサシです。よろしくお願いします。

□今日はボリンジャーバンドの7回目。本日はボリンジャーバンドの代表的仕掛けポイントを紹介する。

■おお、それは楽しみです。その前に・・・まずは3月の講師のセミナー報告!

◆投資戦略フェアEXPO2015
3月14日(土)東京
http://www.tradersshop.com/topics/expo2015/
D会場10時50分から
◆農産物先物市場市況講演会
3月23日(月)東京
※詳細未定
◇小次郎講師のホームページが出来ました。
http://kojirokousi.com/

□3月にはいよいよパンローリング主催、投資戦略フェアEXPO2015がある。数千人の投資家が一堂に会する日本一の投資家イベントだ。

■小次郎講師は4年連続の出演ですね。

□今回はD会場で10時から池水雄一さんと西原宏一さんの対談があり、それに続いて10時50分くらいから私のセミナーとなる。演目は皆さんに非常に人気のある「移動平均線大循環分析」について。セミナーは時間が限られているので詳しいテキストを用意した。

■それはうれしいですね。

□是非、たくさんの人に来てほしい。そして小次郎講師を見かけたら是非、気軽に声をかけてほしいぞ。申し込みはこちらから。
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?c=2011261800009

1、テクニカル分析のシグナル

□さていよいよボリンジャーバンドの代表的仕掛けシグナルの説明に入る。

■いよいよですね。

□仕掛けの話しになると目の色が変わるね。でもテクニカル指標の学習においては、どこで仕掛けるかということは、実は重要性が低い。

■そうなんですか?そこが一番気になりますが。

指標はそれぞれ価格変動の中で買い手と売り手の力関係がどう変わるかを分析している。それを理解することが大切で、それさえ理解出来れば、今、売方有利の状況から買方有利の状況に変わったから買うチャンスだ、と自然と浮かび出てくる。

■なるほど。浮かび上がってくるんですね。

□それが大事で、その本質を理解する前に、買いシグナル・売りシグナルだけを勉強することは百害あって一利なし。

■そこまで言いますか?

□大事だから繰り返し言うぞ、その指標の本質を理解する前に買いシグナル・売りシグナルだけを勉強することは百害あって一利なし。

■わかりました。

2、エクスパンションの仕掛けポイント

□ということを確認して本日はエクスパンションを学ぶ。

■エクスパンション?

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バンド幅が広がっていく状態をエクスパンションと呼ぶ。

■ボージとの違いは?

□ボージはエクスパンションによりバンド幅が最大に広がっている状態。エクスパンションは主にスクイーズからバンド幅が広がっていく状態を表す。そしてそのスクイーズからのエクスパンションが最大の仕掛けポイントとなる。

■スクイーズからのエクスパンションが仕掛けポイント?

【仕掛けポイント】
・スクイーズ状態からエクスパンションしていくとき

□さて、小次郎講師流テクニカル分析は意味を理解するというのが最大の目的。「スクイーズからのエクスパンションが仕掛けチャンス」と聞いて、そうなんだと思っただけではだめ。

■つまりその意味を理解しろと・・・。

□そのとおり。スクイーズとはどういう状態だった。

■バンド幅が最小になった状態、つまり・・・過去20日の価格変動がほとんど無かったという状態。

□そうだね。そこからエクスパンションが始まる。一体何が起こったんだ?

■何が起こったかはわかりませんが、何かが起こったということはわかります。

□ムサシ君、最近なかなかやるねえ。そこを理解出来るかどうかがポイント。で、どっちに仕掛ける?買いか売りか?

■お褒めにあずかって恐縮です。動きがないところから動きが出てきたとしたら、その動きに追随します。

【仕掛けポイントの意味】
・スクイーズにより、値動きがない状態を確認
・エクスパンションにより、新しいトレンドが発生したことを確認。
・発生した新しいトレンドに追随する

□正解!その仕掛けポイントが+2シグマ、-2シグマのバンドタッチ。

■バンドタッチ?

+2シグマに価格が触れたら、上昇トレンドが発生と見て買いで仕掛ける。-2シグマに価格が触れたら、下降トレンドが発生と見て売りで仕掛ける。

【ボリンジャーバンドの代表的仕掛け】
①スクイーズを確認
②エクスパンションを確認
③バンド上限(+2シグマ)タッチで買いエントリー、バンド下限タッチで売りエントリー

■なんと。世間一般の浅い理解の真逆ですね。世間一般のボリンジャーバンドに対する理解は「+2シグマを超えたら売る、-2シグマを割れたら買う」というものなのに今の仕掛けは「+2シグマを超えたら買う、-2シグマを割れたら売る」ですね?むむむ。

3、損切りポイントと再エントリー

※スクイーズからエクスパンション1
「上限タッチで買い」の例

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※スクイーズからエクスパンション2
「下限タッチで売り」の例

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□上にスクイーズからエクスパンションが起こってその後、上限タッチで買った例と下限タッチで売った例を示した。どちらも大きなチャンスになっていることがよくわかる。

■すごいですね。

□ところがこのボリンジャーバンドの代表的仕掛けポイントにはヘッドフェイクという騙しがある。

■ヘッドフェイク?

スクイーズの後、エクスパンションが始まって、上限タッチして買いを仕掛けたらその後下がる。下限タッチして売りを仕掛けたらその後上がるという騙し。


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□上図は典型的ヘッドフェイク。

■騙しがあるんじゃ、残念ですけど・・・だめですね。

□短絡的だね。何故ヘッドフェイクが起こるか教えてあげよう。このシグナルのスタートはスクイーズ。ということは上限と下限の間隔が非常に狭い。

■ですね。

□その間隔が狭い中でトレンドが起こって、動きが出る。ところが動きは一方向ではなく、ウエイブだ。

■そうですね。上昇トレンドが発生した、下降トレンドが発生したと言ってもウエイブで上がり、ウェイブでで下がるわけですから、・・・・なるほど、そのウェイブの上下の中で反対側にひっかかることもありますよね。

□とするとヘッドフェイクが起こりやすいのは当たり前。何も悩むことはない。

■悩むことはないと言っても仕掛けて反対に動いたら悩みますよ。

□そのときの対処法を知っていれば問題なし。

■対処法とは?

□上限タッチ・下限タッチで仕掛ける。そのときのロスカットラインはミッドバンド。ミッドバンドまで来たら潔く損切りする。

■了解。

【ロスカットポイント】
・仕掛けた後、価格が仕掛けたときのミッドバンドを割り込んだら手じまう。

そして、その後価格が反対側のバンドにタッチしたら、改めて仕掛ける。

【再エントリー】
・その後価格が反対側のバンドにタッチしたら、改めて仕掛ける。

■え?また仕掛けるんですか?

□仕掛ける。

■そのときも、下限タッチで売る、上限タッチで買うという戦略ですね。

□そのとおり。一度騙されると二度も騙されたくないと思って仕掛けない投資家が多いが勇気を持って仕掛ける。

■一度騙された女にまた貢ぐようで嫌ですね。それでまた騙されたら後味が悪い。

□身に覚えがあるのかな?チャート分析の世界では騙されても騙されても仕掛けるというのが鉄則なんだよ。

■騙されても騙されてもですか?

□そういうこと。私の感覚では最初の仕掛けで騙しが3割あるとしたら、2回目の仕掛けでは2割になり、それでも騙されたとしたら3度目の仕掛けでは1割になると。あくまで感覚的な話しだけどね。

■なるほど、騙された後は、成功率が高まるのですね。女も反省するんですかね?

□女性の話じゃない。セクハラで訴えられるぞ。


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□上図はスクイーズの後に上限タッチで買いを仕掛けたら、ヘッドフェイクだったケース。その後ミッドバンドで損切りし、今度は下限にタッチしたので、今度は売りを仕掛けたケース。2回目で成功しているのがよくわかる。

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□こちらは昨年の米ドル円。スクイーズ後に下限タッチで仕掛けたら見事にヘッドフェイク。で、ミッドバンドで損切りする。で、その後、上限タッチで仕掛けて大きな利益を上げた。

■なるほど、2回目成功率いいですね。じゃあ、あえて1回目は見送って2回目で仕掛けるというのはどうですか?

□そういうときに限って、1回目で大きなトレンドになる。

■あちゃ。

□そういうもんだ。このスクイーズからエクスパンションというのは動きのなかったところから新しいトレンドの発生を取ろうという仕掛けの手法。ということはうまくいけば大きな相場を取ることが出来る。だからヘッドフェイクの危険性があっても仕掛けるべきだ。

■ミッドバンドまでのリスクなら想定内ですね。確かにあたりはずれの中で大きく利を取っていける作戦だと理解しました。

□ということで本日はここまで。

■ありがとうございました。

今日のまとめ

・その指標の本質を理解する前に、買いシグナル・売りシグナルだけを勉強することは百害あって一利なし。

【仕掛けポイントの意味】
・スクイーズにより、値動きがない状態を確認
・エクスパンションにより、新しいトレンドが発生したことを確認。
・発生した新しいトレンドに追随する

【具体的仕掛け】
①スクイーズを確認
②エクスパンションを確認
③バンド上限(+2シグマ)タッチで買いエントリー、バンド下限タッチで売りエントリー

※ヘッドフェイクとは、スクイーズの後、エクスパンションが始まって、上限タッチして買いを仕掛けたらその後下がる。下限タッチして売りを仕掛けたらその後上がるという騙し。

【ロスカットポイント】
・仕掛けた後、価格が仕掛けたときのミッドバンドを割り込んだら手じまう。

【再エントリー】
・その後価格が反対側のバンドにタッチしたら、改めて仕掛ける。

□第2部第12回講義終了。

■「起立、礼!」

□本日の講義をマスターしたなら、単位を2単位差し上げよう。
本日の単位数2  累計単位数26
中級テクニシャンまで後74単位!

配信元: みんかぶ株式コラム