JSR、3Qは主力3事業で増収に 通期業績予想は前回公表値を据え置き

投稿:2018/01/30 08:50

主要決算数値

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藤本隆氏:決算補足説明資料をご覧ください。

スライドの2ページに、主要決算数値がございます。当第3四半期のハイライト数値です。国際財務報告基準のIFRSベースになっておりまして、前年度もIFRSベースに修正している数値です。

第3四半期累計の実績は、対前年同期で大幅な増収増益です。通期ガイダンスに対して、良好な進捗になっています。

事業別では、石油化学系事業は、増収増益です。エラストマー事業は、第3四半期では販売数量増加があり、利益を大きく増やしています。合成樹脂事業も、好調を継続していて、対前年同期で増収増益でした。

多角化事業も、増収増益です。半導体材料事業は、好調な事業環境に支えられたことに加えて、主要な顧客で販売を増やしたことがあり、増収です。ディスプレイ材料事業は、売上収益や営業利益を維持しています。ライフサイエンス事業は、抗体医薬関連分野での事業立ち上げと成長投資を継続しています。

事業別については、また後の方で出てまいります。

業績ハイライト

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スライドの3ページにまいります。先ほどお話しした第3四半期の状況が、カッコのところに書いてあります。

エラストマー事業は、販売数量拡大と販売価格の採算改定が進んで、大幅な増収増益となりました。

合成樹脂事業は、海外向けを中心に販売が拡大して好調です。

多角化事業です。半導体材料事業は、市場環境が好調です。先端材料の採用拡大と周辺材料の拡販を進め、四半期ベースで過去最高の売上収益となっております。

ディスプレイ材料事業は、成長市場の中国市場の展開を進め、堅調に推移しています。

ライフサイエンス事業は、抗体医薬関連分野の事業が拡大し、3ヶ月で大幅な増収増益となっています。成長投資は、12月に創薬支援分野の(アメリカの)クラウン・バイオサイエンス・インターナショナルのM&Aを決定しています。

連結損益計算書

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スライドの4ページは、累計の連結損益計算書です。

繰り返しになりますが、売上収益は3,135億円です。対前年度プラス12パーセントの増収と、(エラストマー・合成樹脂・多角化の)3事業とも売上は増加です。

売上原価は、販売が増加して、ナフサ価格の上昇・円安により金額が増えているのですが、対前年同期プラス8パーセントと、売上収益よりも低い増加率にコントロールされており、利益を増やしています。

売上原価率は、2パーセント低下して68パーセントとなっております。

売上総利益は、その結果、プラス20パーセントの大幅な増加でした。

販管費は、641億円になっており、プラス5パーセントです。やはり事業が拡大しているので、人件費や試験研究費が増加しています。あと、円安による影響も少しございます。

IFRSベースの営業利益は、その他の営業収益・費用、それから持分法による投資損益を足して、約372億円です。対前年同期プラス114億円・プラス45パーセントの、大幅増益です。

営業利益率は、11.8パーセントに上昇しています。

金融収益と金融費用は、合わせて利益側にプラス15億円となっております。前年同期から収益がやや悪化していますが、プラスです。

法人所得税を抜いた四半期利益は、累計で約290億円です。そこから、非支配持分の利益を考慮した親会社株主の純利益が、約277億円となっております。対前年同期プラス約54億円、プラス24パーセントの増益でした。

連結財政状態計算書

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スライドの5ページは、貸借対照表です。財政状態計算書で、前期末(2017年3月末)との対比です。こちらも、IFRSベースとなっております。

資産合計は6,405億円となり、3月末から620億円の増加です。

区分別に見ますと、流動資産は3月末から70億円の増加です。

定期修繕を前にした棚卸資産の増加等があり、流動資産全体では若干の増加となっています。

非流動資産は、3月末から550億円の増加です。有形固定資産は、ハンガリーで建設中のS-SBR工場や、その他ライフサイエンス事業での投資により、増加しています。

のれんにつきましては、(スイスの)細胞株構築受託会社のSelexisを買収したことにより、増加しています。

また、その他につきましては、保有している上場株式の評価額が上昇したことで増加しています。

負債の方にいきます。負債は2,303億円となり、3月末から約282億円増加しています。

流動負債は52億円増加しているのですが、(2017年)12月末に金融機関休止の影響が大きくございました。

増えているのは借入金で、長短合わせて169億円増加しています。海外子会社での借入によるものです。

資本の部は、合計で338億円増加しています。親会社の所有者に帰属する持分は、利益を計上した純利益による増加です。また、有価証券差額金に関しては、株価が上昇して増加しています。配当による減少を引きまして、合計で約304億円の増加でした。

自己資本比率はここ(資料右側)に書いてあるように、61.2パーセントで、まだ安定性は保っている状況です。

セグメント別損益:石化系事業

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スライドの6ページは、石油化学系事業の利益です。

エラストマー事業のご説明です。界面業界の、2017年度の9ヶ月の需要の状況です。世界のタイヤ販売は、北米の新車用が不振だったようですが、欧州・中国・日本は、新車用・取替用を合計すると、順調に推移したようでした。国内のタイヤ生産は前年同期並みで推移ということで、下げ止まりました。

エラストマー販売量は50万3,000トンとなり、対前年同期では1万4,000トンの減少でした。第3四半期は、第2四半期から販売数量を伸ばしているのですが、前年度の第3四半期が販売好調で、それにおよばず、9ヶ月累計ではマイナスの3パーセントでした。

国内向けは増加しているのですが、輸出が減少して、全体では前年同期対比で減少というかたちです。ですが、そのうちS-SBRだけを取り出しすと、9ヶ月でプラス2パーセントの伸びを確保しています。

売上収益は1,454億円になりました。販売数量は減っているのですが、販売価額を改定して上昇しているので、約142億円プラス・11パーセントの増加でした。

営業利益は約132億円となり、対前年同期比プラス77億円の大幅増益です。前回も話していますが、第1四半期において、その前年の第4四半期の原料価額を反映した販売価額を改定して、利益を大きく押し上げております。

第3四半期もそれに次ぐ好調ということで、第2四半期に落ち込みましたが、また回復しています。

前年同期比でご覧いただくと、販売数量は増加してプラス8パーセントです。その結果、売上も増えて、増収増益となっております。販売数量は、それ以上にSBR等が伸びてプラスです。収益も、41億円伸びております。

営業利益も、販売数量増や採算改善によって、18億円の増加でした。売上高営業利益率もプラスと、第3四半期で9パーセントに上昇しています。

合成樹脂事業につきまして、ご説明します。合成樹脂事業の需要・業界の状況としては、自動車向けが多いです。(2017年)11月までで対前年同期から5パーセント増加した模様で、自動車生産は増加しているようです。

合成樹脂事業の前年同期比ですが、第3四半期累計の売上収益は約388億円でした。販売数量が伸びまして、対前年同期プラス53億円・16パーセントの増収でした。国内外で、車両向け・雑貨向けなども伸びております。

営業利益は、約50億円となっています。数量増の効果と価額改定で売買スプレッドを改善して、プラス22億円の大幅増益です。

合成樹脂について、前年同期比をご覧いただきます。第3四半期も好調を継続していて、売上高はプラス約9億円の増収・営業利益は微増です。第1四半期から好調を継続していて、第2四半期が非常にプラスだったところから、さらに少しプラスということです。

営業利益率も、四捨五入すると13パーセントということで、非常に高い水準でした。

セグメント別損益:多角化事業

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スライドの7ページにいきまして、多角化事業です。

多角化事業は、全体では増収増益です。事業別に、売上高を開示しています。前年同期比で、半導体材料をご覧いただきます。業界の状況としては、シリコンウエハーの成長はIHSによると、暦年プラス6パーセントの予想ということです。

当社グループ製品も、業界の好調に加えて、主力格で販売を拡大しております。売上収益は対前年同期プラス109億円で、プラス24パーセントと大きく伸び、568億円となっています。(スライドの)下に主要製品の伸びを書いていますが、おおむねすべて好調だったという状況です。

次に、ディスプレイ材料です。ディスプレイ材料の業界の状況としては、液晶パネルメーカーの稼働率が、9ヶ月間で平均して約90パーセントぐらいと推定されています。あと、テレビ用の大型液晶パネルの面積は、年プラス4パーセントの成長予測となっていて、業界としては悪くはなかったということです。

当社製品はそのような中で、パネル生産拡大が続く中国市場向けなどで販売を伸ばしましたが、販売価格はやはり下落する影響があり、売上収益は約412億円、対前年同期マイナス4パーセントということで、若干の減少でした。

品種別ではここ(スライド下部の「ディスプレイ材料」)にあるように、その他LCD材料がプラス5パーセントと増加しています。配向膜材料も微増でしたが、着色レジストが減っていて、売上高全体では少し減ったということです。

(スライド上部の表に戻って)その他のところですが、売上収益は約313億円、対前年同期プラス35億円、プラス13パーセントの増収でした。ライフサイエンス事業の売上高が、大きく増えているということです。

営業利益にまいります。多角化事業全体の営業利益は、前年同期プラス約16億円で、プラス9パーセントの増益でした。

半導体材料が売上増・数量効果で大幅増益、ディスプレイ材料の利益は前年同期並みです。その他は、9ヶ月を合計すると、ライフサイエンス事業の先行投資等のコスト増で減益がありました。(多角化事業を)合わせて、約16億円の増益です。

前四半期比では、売上収益は全体でプラス6パーセント、26億円の増加です。ここ(スライド右下の「その他」)にあるように、ライフサイエンス事業が売上収益を大きく増やしていますが、半導体も引き続き好調で、さらにこの四半期で伸びたということです。

営業利益は、13億円の増益です。半導体材料が利益を伸ばし、それに加えてライフサイエンス事業の損益が大きく改善して、プラス13億円となっています。好調を継続して、伸びているということです。

通期業績予想 <前回より変更なし>

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スライドの8ページの、通期業績予想です。先ほどの話にあったように、業績予想を変えていないので、(前回の)そのままの数字になっています。

営業利益は(通期予想が)430億円なのですが、進捗は非常にいいということで、(前回公表から)変えていない数字を、ここに出しているということです。

あと、宇部興産と三菱ケミカルの間で進めている合成樹脂事業の統合は、(2018年)4月1日になったので、ここには入っていません。

(スライドの)下の減価償却費以下の3つは、9ヶ月間の実績を申し上げますと、減価償却費が125億円、資本的支出が307億円、研究開発費が150億円となっています。

減価償却費と研究開発費は、ほぼ9ヶ月並みの進捗です。ただ、資本的支出につきましては、設備の完成の際にお金を払うということで、そのあたりで少し期ズレ等がありました。そのため、9ヶ月間(の進捗)ですと、(通期予想の)470億円に対して、まだ310億円程度ということです。

【参考】セグメント別損益:四半期推移

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スライドの9ページは、セグメント別損益の四半期推移の参考資料です。

【参考】営業利益 日本基準からIFRS 日本基準からIFRSの偏差説明

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スライドの10ページは、(日本標準から)IFRSに変えたときの差の説明です。

IRカレンダー

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最後のスライドの11ページには、今後の予定を記載しています。年度決算は(2018年)4月25日に発表で、(投資家・アナリスト向けカンファレンスコールが)15時開始です。

それから、5月16日に経営方針説明会を予定しています。社長の小柴(満信氏)が出席して、中計の1年目の結果レビュー等を含めた経営方針の説明を行うということです。午前・午後にわけてやるのですが、今のところアナリストさまは午前の予定です。後でご連絡差し上げますので、ぜひご出席をよろしくお願いいたします。以上です。

配信元: ログミーファイナンス

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