気迷い線出現 - イメージほど“下方向一辺倒”ではない…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/03/16 10:56

◆“政局不安感”が尾を引き - ドル円は105円台へ…

※ご注意:予想期間は3月17日と表示されていますが、本日(3月16日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


日米双方に端を発する“政局不安感”は、思った以上に尾を引いている格好です。
昨日は“米国の対中強硬姿勢”が警戒され、これにスパイ暗殺未遂事件を受けた“英・ロの対立姿勢”も重なりました。
リスク回避の円買いが誘われており、ドル円は105円台へ値を落とす場面も見られました。
もっともNYタイム終盤には106.30円水準まで持ち直しており、昨日も記したように、最も警戒すべき“リスク回避⇒円買い”一辺倒というわけではなさそうです。

◆しかし対円を除き、ドルは“概ね堅調”、その対円でも持ち直し…?

「イメージは下方向」が続いているのは否めず、センチメントは「ドル売り・円買い」に偏っている印象があります。
このため「上値が重い⇒戻り売り」が囃されやすく、持ち直したからといって「楽観はできない」のは事実です。
しかし対円を除くと、ドルは“概ね堅調”であることも事実であり、そしてそのドル円も昨日は持ち直しました。

◆“気迷い線”出現のサポートも…!?

昨日の持ち直しで、テクニカル的には“下髭を蓄えた寄引同時線(十字線)”が描かれました。
これは一般的に“気迷い”とされる形状であり、イメージほど“下方向一辺倒”ではないことを意味するとされています。

“リスク回避⇒円買い”への警戒は続くと見られるものの、本日は“週末”でもあります。
流れとしてはまだ“下”なのかもしれませんが、昨日に続き、“下げ止まった際のポジション調整(ドル買い戻し・円売り戻し)”は、想定以上に強くなるケースを想定しておきたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:107.282(3/13高値)
上値4:107.000(大台)
上値3:106.749(3/14高値、3/13~3/15の61.8%戻し)
上値2:106.534(3/13~3/15の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:106.414(3/15高値)
前営業日終値:106.349
下値1:106.100(3/15安値後の50%押し)
下値2:106.000(大台、3/15安値後の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値3:105.786(3/15安値)
下値4:105.555(ピボット2ndサポート)
下値5:105.449(3/7安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:08 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想