“意識は下方向”は継続 ‐ だからこそ“巻き戻し”は大きい…!?
◆“貿易戦争懸念”は後退 ‐ ドル円巻き戻し
※ご注意:予想期間は3月10日と表示されていますが、本日(3月9日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。
昨日はユーロが大きく揺れ動きましたが、ドル円は比較的落ち着いた動きを続けました。
マーケットを騒がした「鉄鋼・アルミに関税を課す」に関して、トランプ大統領は昨日、制限令に署名を行いました。
しかしながら「カナダ/メキシコは適用除外」「その他同盟国も除外交渉は可能」とされたことで、“貿易戦争懸念”は急速に後退していきました。
一時100ドル近く下げていたNYダウはプラス圏に転じ、ドル円には巻き戻し圧力がかかっていきました。
◆“ネガティブ”に反応しづらくなると、不思議と“ポジティブ”が跳び出す
こうして“ネガティブ”に反応しづらくなると、今度は“ポジティブ”を促す要因が跳び出し始めるから不思議です。
米国に対して北朝鮮は「訪朝要請」を行い、これにトランプ大統領は「5月までに米朝首脳会談」との意向を示したと伝わっています。
現時点で信憑性は計りかねるものの、“ネガティブ”に反応しづらくなった中での“ポジティブ”要因です。
「巻き戻しにつながる」と素直に考えるのが自然です。
◆“上値は重い”の意識は続くのだろうが…!?
イベントとしては日銀金融政策決定会合/米雇用統計が予定されていますが、前者は「現状維持」がほぼ確実視されています。
所信聴取では「現時点の出口議論は時期尚早」とのスタンスも示されましたので、波乱材料にはならないと見られます。
米年内利上げペース(回数)への思惑が割れているだけに、後者への関心は強いと見られます。
ただし裏を返せば、はっきりするまで「様子見⇒ポジションはフラットにしておきたい」と考えやすいということになります。
米貿易赤字が拡大する中で跳び出した“関税問題”ですので、しばらく燻り続けると考えるのが自然です。
このため“ドル高けん制”“貿易摩擦懸念”への思惑が台頭しやすく、“上値は重い”も続く可能性が残ります。
それだけ“意識は下方向”も続くと考えられますが、だからこそ“巻き戻しは大きい”と考えたいところです。
“20日移動平均線(本日は106.775円)”や“107円ライン”、はたまた“2/2~3/2の38.2%戻し”ともほぼ合致する“3/1高値(107.208円)”まで突っかけることができるか…?
◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:107.000(大台、
上値4:106.869(20日移動平均線)
上値3:106.752(2/27~3/2の61.8%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
上値2:106.466(3/6高値、2/27~3/2の50%戻し水準、日足・一目均衡表転換線、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:106.308(3/8高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:106.163
下値1:106.000(大台、3/7~3/8の38.2%押し)
下値2:105.890(3/8安値、3/7~3/8の50%押し、ピボット1stサポート)
下値3:105.777(3/7~3/8の61.8%押し、ピボット2ndサポート)
下値4:105.449(3/7安値、ピボットローブレイクアウト)
下値5:105.349(3/5安値)
※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。
10:57 ドル円 抵抗・支持ライン追加
配信元: