「一進一退」を鑑みつつ、「大きくは崩れない」…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/02/28 11:10

◆パウエル議会証言は“好感” - “リスク回避”は回避

※ご注意:予想期間は3月1日と表示されていますが、本日(2月28日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


注目のパウエル議会証言は、やはり「強いタカ派示唆は避けつつ、緩やかな利上げは継続」というスタンスでした。
イエレン路線を踏襲した格好であり、概ねマーケットは“好感”と捉えています。
“米金利上昇⇒株価急落”という動きも見られていますが、“事前に想定”されていたこともあり、懸念されている“リスク回避姿勢”に繋がることはありませんでした。

◆本日も「基本は動きづらい(方向感が出づらい)」…?

“米利回り上昇(ドル買い要因)/株価下落(円買い要因)”が混在することを考えれば、本日も「基本は動きづらい(方向感が出づらい)」と考えるのが自然です。
しかし今月のNYダウ/米国債パフォーマンスを考えれば、「資産価値減少をドル売りでヘッジ」してきた可能性は高いといえます。
本日は月末に当たりますので、その一部が“巻き戻される(買い戻される)”可能性はそう低くはありません。

◆ただし「もう一段のドル買い戻し」が上回る可能性は残る…!?

もちろん「昨日の上昇に対する調整圧力」が存在しますので、これに「根強い戻り売り圧力」が加わるようなことがあれば、“押し戻される”可能性はゼロではありません。
しかし最も懸念すべき“リスク回避姿勢”が台頭していない以上、「もう一段のドル買い戻し」が上回るという可能性は残ります。

債券/株価動向を睨みながらにはなりますが、「動きづらい(一進一退)を鑑みつつ、大きくは崩れない」を基本に対峙したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:108.013(2/2~2/16の50%戻し、大台)
上値4:107.901(2/14高値、2/21高値、20日移動平均線)
上値3:107.762(2/22高値、ピボット1stレジスタンス)
上値2:107.680(2/27高値)
上値1:107.449(2/27高値後の61.8%戻し)
前営業日終値:107.352
下値1:107.181(2/26~2/27の38.2%押し)
下値2:107.028(2/26~2/27の50%押し、大台)
下値3:106.874(2/26~2/27の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値4:106.782(2/27安値、日足・一目均衡表転換線)
下値5:106.375(2/26安値、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:27 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想