“上値重い”が、“ドル売りが囃される地合い”ではない…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/11/21 11:16

◆下方向一辺倒のイメージも、ドル買い戻し優勢

※ご注意:予想期間は11月22日と表示されていますが、本日(11月21日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「独連立交渉が決裂」との報を機に急落したユーロ円に引っ張られ、ドル円も再び112円割れを演じる場面が見られました。
しかし米10年国債利回りが先週末の低下分を取り戻す反発を見せたことで、昨日のドルは幅広い通貨に対して買い戻されました。
昨日指摘した“テクニカル的な急所”を割り込めなかったことも、ドル買い戻しを後押しした印象があります。
こうしてNYタイム終盤には“112.70円”水準へと持ち直していきました。

◆「北朝鮮をテロ支援国に再指定」は、上値を押さえる要因になり得るが…

一方で昨日は、「北朝鮮を2008年以来のテロ支援国に再指定」との報が伝わりました。
現時点で目立った反応は見られておりませんが、リスク回避(円買い)になり得る要因であることは事実です。
このため北朝鮮の出方次第ではありますが、現時点では「ドル買い進みは躊躇されやすい」と考えるのが自然ということになります。

◆しかし“ドル売りが囃される地合い”ではない

もちろん2.37%台へ反発した米10年国債利回りは、“ドル売りが囃される地合い”ではありません。
また独政局絡みの懸念は“ユーロの上値を押さえる”要因であり、引いては“ドル売りを抑制する”要因でもあります。
しかし米感謝祭を間近に控えるスケジュール感である以上、「一方向へのポジション傾斜は手控えられる」”と考えるのが自然です。

“50日移動平均線(本日は112.782円)/日足・一目均衡表転換線(同112.982円)”を明確に突破出来るか?が目先のポイントであり、それまでは“同水準~テクニカル的な急所内での揺れ動き”を基本と考えておきたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.325(11/16高値、11/6~11/20の50%戻し)
上値4:113.238(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:113.140(11/17高値、日足・一目均衡表基準線)
上値2:112.977(11/6~11/20の38.2%戻し、日足・一目均衡表転換線、大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:112.717(11/20高値、50日移動平均線)
前営業日終値:112.627
下値1:112.322(週足・一目均衡表先行スパン上限、50週移動平均線、11/20安値後の50%押し)
下値2:112.207(11/20安値後の16.8%押し)
下値3:112.104(200週移動平均線、ピボット1stサポート)
下値4:112.000(大台)
下値5:111.891(11/20安値、日足・一目均衡表先行スパン上限、9/8~11/6の38.2%押し水準)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:45 ドル円 抵抗・支持ライン追加
12:25 ドル円 抵抗・支持ライン、Askでの数値だったためBidでの数値に修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想