“ズルズルと下値追い”は想定しづらい…?

著者:武市佳史
投稿:2017/11/16 11:15

◆“膠着下抜け” - ドル全面安

※ご注意:予想期間は11月17日と表示されていますが、本日(11月16日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


あぁ、あぁぁ…。
“株安の連鎖”が尾を引く中、“米10年国債利回り低下”が重く圧し掛かりました。
またエバンス・シカゴ連銀総裁が「12月FOMCは予断を持たずに臨む」と発言したことも、ドルの上値を重くした印象があります。
2.33%台へと低下するタイミングで113円を割り込んだドル円は、2.31%半ばへ低下したNYタイム序盤に112円半ばへと売り込まれました。

◆ただ、注目の米消費者物価指数/小売売上高は“いずれも強め”…

一方で“まちまち”ではあったものの、注目の米消費者物価指数(コアは+0.2%)/小売売上高(+0.2%)は“いずれも強め”でした。
一時△166ドルとなっていたNYダウは“下げ渋り”に転じ、米10年国債利回りも“ジリジリと戻している”状況を考えると、このまま“ズルズルと下値追い”といった展開はちょっと想定しづらいところでもあります。

◆徐々にドル安要因も萎みつつある…!?

“113.20-113.00円のドル買いオーダー”をこなした格好ですので、“膠着下抜け”との印象が立ちやすいのは事実です。
また“50日移動平均線(本日は112.570円)”に既に到達しており、“目先の達成感”が台頭してもおかしくありません。
113円を“速やかに回復”するようなことがあれば、“ダマシ(オーバーシュート)”との見方が台頭することも考えられます。
昨日の動きだけで“下抜け⇒さらなる下値追い”と囃すのは、やはり時期尚早と考えます。

さすがに“112円割れ”となれば“目先の天井⇒ドル売り加速”への懸念が拭えなくなってきますが、前記したように目先のドル安を促した要因は“徐々に萎みつつ”あるようにも見えます。
見方を外したばかりですので“一旦様子見”とせざるを得ませんが、“深い押し目”と考えて対処したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.609(11/6~11/15の50%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値4:113.493(11/15高値)
上値3:113.344(11/6~11/15の38.2%戻し、11/14~11/15の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値2:113.198(11/14~11/15の50%戻し、日足・一目均衡表基準線)
上値1:113.029(11/14~11/15の38.2%戻し、大台)
前営業日終値:112.867
下値1:112.570(50日移動平均線)
下値2:112.485(11/15安値)
下値3:112.396(50週移動平均線、ピボット1stサポート)
下値4:112.291(10/19安値、週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値5:112.133(10/18安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:31 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想