“失望”というには弱い…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/10/31 10:24

◆センチメント悪化 - ドル下落

※ご注意:予想期間は11月1日と表示されていますが、本日(10月31日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「次期FRB議長争いはパウエル理事優勢」との思惑は、引き続きドルの上値を押さえました。
これに昨日は「“段階的な”減税案導入を検討」と報じられたことで、“税制改革への期待感”も萎みました。
さらに「米大統領選の選対本部長(マナフォート氏)を起訴」と報道は、いわゆる“ロシアゲート問題の再燃”をもたらし、ドルのセンチメントは急速に悪化させました。
ドル円には下落圧力がかかり、本日東京タイムに入ると113円を割り込むに至っています。

◆ただ“失望”というには弱い… - “材料にされた”だけ…?

もっとも昨日も記したように、“時期FRB議長争い”に関しては「どちらがなっても、大きな金融スタンスの変更は期待薄」と考えるのが自然です。
「両候補者を議長-副議長に据える」との思惑も燻り続けていますので、現時点においてドル売りを囃すのは“あまりにも早計”と考えます。

“税制改革の期待感後退”はドルにとって逆風ですが、「そこまで期待感が高まっていなかった」のも事実です。
つまり“失望”というには弱く、“(利益確定売りの)材料にされた”という方がしっくりきます。

◆“急所”にもすでに到達

テクニカル的に見ると、113円ラインは“10/16~10/27の50%押し(113.048円)”“日足・一目均衡表基準線(本日は112.972円)”“20日移動平均線(同112.924円)”がほぼ重なる“急所”であり、すでに到達もしています。
当初の予定通り、“ドル売り局面=押し目買いチャンス”と見て対応したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.906(10/27~10/30の61.8%戻し)
上値4:113.834(10/30高値)
上値3:113.739(10/27~10/30の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値2:113.572(10/27~10/30の38.2%戻し)
上値1:113.369(日足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:113.175
下値1:113.031(10/30安値、10/16~10/27の50%押し水準、日足・一目均衡表基準線、大台)
下値2:112.925(20日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:112.718(10/16~10/27の61.8%押し)
下値4:112.504(10/20安値、ピボット2ndサポート)
下値5:112.291(10/19安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:44 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想