26日ECB理事会と週後半の米経済指標に注目!(10月24日)

著者:山口哲也
投稿:2017/10/24 11:49

【10月のドル円は小動き】

日経平均が史上初の14連騰を15連騰に更新する中、10月に入ってからの米ドル/円の値動きは、先週111円台後半から113円台半ばまで上昇したものの、実はあまり変動していません。

月初の始値に対する月内高値と月内安値の差の割合を月間変動率として、2005年7月以降で見ると、月間変動率の平均は約4.61%となるのに対し今年10月は2.20%。
これは米ドル/円の月間の騰落率の中でも歴代8位の低さとなっています。

【米ドル円(くりっく365) 月足チャート】

【米ドル円(くりっく365) 月足チャート】
特に10月前半の値動きが、リスク回避的で上値が重い中で小動きだったこともあり、先週の上昇幅は大きく動いた印象に映りがちですが、実際に月足チャートを見ていただくと、今月のローソクはひげ(高値や安値まで伸びた線の部分)を含めても他の月に比べると、見た目からも今月は値幅が小さいことがわかると思います。

【今後の米ドル/円について】

まず、長期的な観点から見れば、ファンダメンタル的にもテクニカル的にも米ドル円は底堅い展開になりそうです。
ファンダメンタルでは、米国の政策金利が引き上げと米国経済が順調であるのに対し、日本は金融緩和策をとっている中で、米国に比べても経済成長率が低いことが挙げられます。

テクニカル的には月足2012年末の80円割れを起点に2016年の100円割れに引いた長期的な上昇トレンドライン上で価格は推移しており、現在は2015年の高値から引いたラインに囲まれた保ち合い相場にあると考えられるため、トライアングル(三角保ち合い)のセオリーから、今後の相場も上昇傾向になりそうだと予想されます。
また、月足の移動平均線に対し価格がその上側で推移している点も底堅い印象となります。

【米ドル/円(くりっく365 週足チャート】

【米ドル/円(くりっく365 週足チャート】
今週は、中国共産党大会の結果や、ECB理事会、米第3四半期GDP(速報値)米住宅関連指標などに注目が集まりますが、特に米国の経済指標においては8月から9月にかけて発生したハリケーン ハービーやイルマなどの影響を受けた弱い経済指標が予想される中、どちらかというと市場予想よりも強い結果になっていること、また、テクニカル的には、週足ベースでも各移動平均線の上側で価格が推移していることから、米ドル円についても強気で見ています。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想