利益確定売りが入っても「一時的かつ限定的」…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/10/23 11:33

◆“米税制改革”への期待感&“衆院選”の与党勝利 - 114円台到達

※ご注意:予想期間は10月24日と表示されていますが、本日(10月23日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“次期FRB議長争い”“衆議院選(22日)”に対する不透明感が燻る中、先週末は“米税制改革”への期待感がドルを押し上げました。

 「米上院は2018年度連邦予算決議案を可決」

野党側の議事妨害を回避するため、通常、上院では「60票が必要(全100票)」とされています。
しかしながら予算決議案が通過したことで、ハードルは一気に「過半数(51票)」に下がることになります。
つまり“与党だけで可決が可能(与党側の上院保有議席数は現在52議席)”へステータスが移行したということになります。
決して一枚岩とはいえないものの、この影響にてドル円は“10/6高値(113.434円)”を突破し、“113.572円・Bid”へと駆け上がりました。
そして昨日の“衆院選・与党勝利”を受けて、週明けの本日には“114円台”に達しています。

◆目先は「噂で買って、事実で売る(利益確定売り)」を懸念

“衆院選・与党勝利”は「ある程度織り込まれていた」と考えるのが自然ですので、目先は「噂で買って、事実で売る(利益確定売り)」を懸念しなければならないところです。
しかし海外勢には「主要国で最も政局が安定しているのは日本」と映りやすく「アベノミクスへの期待感」が後押しされる可能性も残ると見られます。
…となれば、仮に利益確定売りが入ったとしても「一時的かつ限定的…?」

◆しかし大勢的(ドル買い基調)に変わりなし…!?

“衆議院選”が終わったことで、次なるポイントは“次期FRB議長争い”“米税制改革”と見られます。
「3人に絞られた(パウエル/テイラー/イエレン)」とされる前者は、“テイラー=タカ派(ドル買い)”“パウエルorイエレン=ハト派(ドル売り)”との見方が一般的です。
このため“テイラー以外でドル売り”との可能性は残りますが、しかしながら現在の米金利引き上げは“利上げ”というより“金利正常化”と見るのが自然です。
つまりいい方を換えれば、「誰がなっても、大勢的(ドル買い基調)に変わりなし」と見ることが可能です。
それでいて後者の期待感は、「台頭したばかり」です。

“イベント経過に伴う利益確定売り”が警戒される以上は、「高いところを買い上げるのは、如何なものか…?」ということになります。
それでも“もう一段の上値追いは可能”と考え、その上で“押し目買いチャンス”を待ちたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:114.493(7/11高値)
上値4:114.263(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:113.962(7/12高値、大台)
上値2:113.886(大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:113.572(10/20高値、7/14高値)
前営業日終値:113.509
下値1:113.301(10/20安値後の50%押し)
下値2:113.113(10/20安値後の61.8%押し)
下値3:113.000(大台)
下値4:112.837(10/16~10/20の38.2%押し、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値5:112.611(10/16~10/20の50%押し、20日移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:53 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想