週末リスクを鑑みつつ… - 方向感変わらず!?

著者:武市佳史
投稿:2017/10/20 11:30

◆利益確定売りに押されるも、値を戻す

※ご注意:予想期間は10月21日と表示されていますが、本日(10月20日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


113円ラインを挟んでの揉みあった後、欧州タイム序盤には“さらに上値を窺う”場面も見られました。
しかし「NZ情勢(政権交代)」「カタルーニャ懸念(自治権剥奪?)」が重荷となり、“リスク選好の円売り”は後退していきました。
一方で「次期FRB議長争いはパウエル理事優勢」との観測報道は、“金利選好のドル買い”も後退させました。
このため“利益確定売り”が目立ち、ドル円は112.30円水準へと反落しました。

もっとも下落に転じていたNYダウは“最終的にプラス”を維持し、フィラデルフィア連銀製造業景気指数は“強め(27.9:前月比+4.1)”でした。
このため“利益確定売り”が進行し続けることはなく、112円半ばへと値を戻し、昨日の取引を終えています。

◆あくまで“ポジション調整”…?

「113円台で跳ね返された」格好ではありますが、テクニカル的に見ると“20日移動平均線(本日は112.498円)”で下支えされた形でもあります。
「政局不安」も目立ちますが、“リスク回避”というよりは、あくまで“リスク選好の巻き戻し(ポジション調整)”と見るのが自然です。
もしかすると“(ポジション調整の)格好の材料”にされた可能性まであります。

◆“世界的に波及”と考えるのは不自然…!?

もちろん水物の「衆議院選(22日)」を控えており、また「次期FRB議長争い」も結果が出るまでわからない類の要因です。
このため“決め打ちは厳禁(不透明要素は残る)”といわざるを得ませんが、昨日のネガティブ要素が“世界的に波及”と考えるのは、あまりに不自然…。

“思惑次第”の面はありますが、“次期FRB議長争い”がテーマの一つである以上、「(113円水準からでも)上値を模索する思惑はなくならない」…?
“ネガティブ要素”も溢れていますが、「いずれも織り込み済み」の可能性を考えると、逆に「サプライズはポジティブ」…?
それでいて懸念していた“利益確定売り”は、すでに昨日に入りました…。

“10/6高値(113.434円)手前のドル売りオーダー”は昨日同様に散見されていますが、“その手前(113.10円超から10銭刻みでストップロスオーダー)”というのも変わっていない模様です。
もちろん真偽のほどは定かではありませんが、引き続き「(ドル買いを仕掛ける向きが)ほっておかない」との見方を継続したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.571(7/14高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:113.434(10/6高値)
上値3:113.147(10/19高値)
上値2:113.000(大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:112.820(10/19高値後の61.8%戻し
前営業日終値:112.556
下値1:112.478(日足・一目均衡表転換線、20日移動平均線)
下値2:112.398(10/16~10/19の50%押し)
下値3:112.221(10/16~10/19の61.8%押し、10/19安値、ピボット1stサポート)
下値4:112.133(10/18安値)
下値5:112.033(10/17安値、大台)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:55 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想