113円水準でも「上値を模索する思惑はなくならない」…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/10/19 11:40

◆“リスク選好の円売り”+“金利選好のドル買い” - 113円台へ到達

※ご注意:予想期間は10月20日と表示されていますが、本日(10月19日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


上値を押さえ込んできた北朝鮮リスクが“とりあえずピークアウト”ともなれば、昨日の動きは“ある意味、当然”…!?

“世界的な株高”を背景に、昨日は“リスク選好の円売り”が囃されました。
これに「次期FRB議長にはテイラー教授が優勢」を背景とした“金利選好のドル買い”が加わったことで、ドル円は上値を伸ばしました。
欧州タイム序盤に“112.30-50円”に展開する分厚いドル売りオーダーを突破すると、NYタイム中盤には113円台へと到達しています。

もっとも昨日発表の米住宅関連の経済指標は“芳しくなく”、米地区連銀経済報告《ベージュブック》は“控えめな評価”が目立ちました。
このため“リスク選好の円売り”は続いたものの、“金利選好のドル買い”の勢いは鈍り、「113円台をさらに買い上げる」といった動きにはつながりませんでした。

◆本日は“円売り/ドル買いの力加減”がポイント

このため本日は“リスク選好の円売り/金利選好のドル買いの力加減”がポイントになってきそうな雰囲気といえます。
そして“世界的な株高”が崩れていない以上、“前者は継続”と見るのが自然です。
…となると、問題となるのは“後者”です。

本日は主要な米経済指標(新規失業保険申請件数/フィラデルフィア連銀製造業PMI/カンファレンスボード景気先行指数)も予定されていますが、注目されるのはやはり「トランプ-イエレン会談」です。
そして“次期FRB議長を巡る思惑”がテーマの一つとなっている以上、113円水準からでも「さらに上値を模索する思惑はなくならない」…?

◆「利益確定売り⇒目先は上値重い」と見るのが自然だが…!?

オーダー状況を見ると、“10/6高値(113.434円)手前にかなりのドル売りオーダー”が展開しているものの、“113.10円超から10銭刻みでストップロスオーダー”が設定されているといわれています。
真偽のほどは定かではありませんが、ドル買いを仕掛ける向きは「ほってはおかない」…?

後は“結果(思惑)次第”であり、まずは「利益確定売り⇒目先は上値重い」と見るのが自然なのでしょうが、それでも「“もう一段の上値追い”は十分期待できる」と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.962(7/12高値、大台)
上値4:113.571(7/14高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:113.434(10/6高値)
上値2:113.276(ピボット1stレジスタンス)
上値1:113.048(10/18高値、大台)
前営業日終値:112.933
下値1:112.726(10/18安値後の38.2%押し)
下値2:112.613(10/18安値後の50%押し)
下値3:112.514(10/16~10/18の38.2%押し、10/18安値後の61.8%押し、20日移動平均線)
下値4:112.348(10/16~10/18の50%押し、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値5:112.133(10/18安値、10/16~10/18の61.8%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

12:09 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想