“落ちるナイフ状態”は継続中、ただし“にわか下値期待”も増大中…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/04/13 11:21

◆別の要因(トランプ発言)にてドル円続落

※ご注意:予想期間は4月14日と表示されていますが、本日(4月13日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


昨日は“利益確定の買い戻し”を背景に、NYタイム中盤にかけてジワリジワリと値を戻す場面が見られました。
また米ロ外相会談にてシリア情勢も落ち着いた感があり、“地政学的リスクの後退(一服)”も促されつつありました。
しかし“目先の下値確認(達成感)”につながることはなく、“別の要因”にてドルはさらに押し下げられました。

 「ドルは強すぎる」「FRBの低金利政策を望む」

ウォールストリートジャーナル紙に掲載されたトランプ大統領のこのコメントは、“ドル高/米金利先高観を牽制”と捉えられました。
さらにドル売りへと傾斜したマーケットは“200日移動平均線(本日は108.657円)”“16/11/17安値(108.549円)”が目前、“トランプラリーの61.8%押し(16/11/9~16/12/15の61.8%押し:107.863円)”にも手が届こうかという水準へとドル円を押し下げました。

◆下値追い機運高まる中、“もう一段の仕掛け”には細心の注意が必要

“燻る地政学的リスク”のみならず、“ドル高/米金利先高観を牽制”も重なったとあっては、“もう一段の仕掛け的な動き”には細心の注意を払っておく必要があります。
特に明日からの“欧州勢4連休”に伴う流動性低下を鑑みれば、「仕掛け的な動きは奏功しやすい」と考えることが可能です。
急落への警戒度は、相当上げておく必要があります。

◆ただし欧州勢は4連休前 ‐ 利益確定に動く…?

ただ“地政学リスク過敏症”とも呼べる状況下、“欧州勢4連休”を鑑みれば「欧米短期筋は利益確定(ドル買い戻し・円売り戻し)に動く」と見るのが自然です。
そのポイントとして意識されやすいのは、やはり“200日移動平均線(108.657円)”…?

同ラインで下げ止まらなければ“108円割れ(前記107.863円)”が現実味を帯びてきますので“下げ止まったと見るのは早計”ですが、週初とは真逆に“にわか下値期待”も増大しています。
“落ちるナイフ状態”の流れの中ではありますが、少しだけ期待したいところです。
もちろん割り込んだ際のさらなる下値追いを鑑みながらですが…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:109.975(4/10~4/12の38.2%戻し、大台)
上値4:109.871(4/12高値、週足・一目均衡表基準線)
上値3:109.582(ピボット1stレジスタンス)
上値2:109.431(4/12高値後の61.8%戻し)
上値1:109.295(4/12高値後の50%戻し)
前営業日終値:108.997
下値1:108.657(200日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値2:108.549(16/11/17安値)
下値3:108.404(ピボット2ndサポート)
下値4:108.294(50週移動平均線)
下値5:108.000(大台)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:47 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想