“にわか上値期待”は気になるが、“もう一段の上値追い”は期待できる…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/04/10 10:14

◆ネガティブ要因台頭も、下値は限定的

※ご注意:予想期間は4月11日と表示されていますが、本日(4月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“シリアへのミサイル攻撃”“ネガティブな米雇用統計”が飛び出したにもかかわらず、いずれも下値は限定されました。

「全面戦争にはつながらない」との見方が台頭した前者は、地政学的リスク発生時特有の“急落⇒一旦落ち着き、買い戻し”を演じました。
また“10ヶ月来最低の伸び(+9.8万人)”を記録した後者も、「北東部の猛吹雪の影響(一時的)」との見方に後押しされ“瞬間的な下落⇒その後は反発”となりました。
ダドリーNY連銀総裁の「バランスシート縮小に伴う利上げ小休止は極めて短い」発言も加わり、110円割れを回避したドル円は111円台に押し戻されて先週末の取引を終えています。

◆“リスク回避への思惑”は根強いが…?

“2つの大きなネガティブ要因”でも、ドル円の下値は“3/27-28安値(110.10円水準)”で支えられました。
これは110円ラインにかけて“かなりのドル買いオーダー”が展開していることが、窺える動きといえます。
一方でシリア&北朝鮮情勢は依然として不透明であり、多発する欧州テロを含めると“リスク回避への思惑”は根強いものがあると考えるのが自然です。

ややレンジを切り上げた印象こそあるものの、オーダー状況を見ると“111.10-110.80円にドル買いオーダー”“111.50-70円のドル売りオーダー”にガッチリと挟まれています。

“根強いリスク回避への思惑”と、いわゆる“にわか上値期待”が一定の上値抑制要因として機能しそうな気配はあるものの、「米中首脳会談は無難に終了」「110円を割らない底堅さ」を演じた直後です。
112円に向けた“もう一段の上値追い”を期待したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.000(大台、20月移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:111.670(20日移動平均線)
上値3:111.584(4/3高値、ピボット1stレジスタンス)
上値2:111.444(4/5高値、3/31~4/7の61.8%戻し)
上値1:111.354(4/7高値、週足・一目均衡表先行スパン上限)
前営業日終値:111.074
下値1:110.893(4/7安値後の50%押し)
下値2:110.751(4/7安値後の61.8%押し)
下値3:110.609(4/7安値後の76.4%押し)
下値4:110.349(ピボット1stサポート)
下値5:110.289(200週移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:28 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想