“バイアスは上方向”、ただ“にわか上値期待”にご用心…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/03/10 10:49

◆“ネックライン(115円ライン)”を突破、“ダブルボトム”は完成…!

※ご注意:予想期間は3月11日と表示されていますが、本日(3月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


仕掛け的な動きは“上方向(ドル買い)”へと向かったものの、“114.50-115.00円のドル売りオーダー”をこなし切るのは容易ではありませんでした。
“ギリギリ”までは上昇するものの、“越え切る”には至らないなど、“上値の重さ”ばかりが目立つ動きだったともいえます。
ただ日が替わると情勢は変わり、2.61%に乗せた米10年国債利回りにつれて“静かに、静かに…”115円ラインを抜けていきました。

◆ここからの懸念は“にわか上値期待”…!?

“(日足・一目均衡表先行スパンの)雲のネジレ”から上抜けた格好となっており、テクニカル的には“教科書通りの上方ブレイク”といえます。
また“ダブルボトム”も完成した格好となることから、“初動、再び”への思惑も台頭しやすいと考えられます。

もっともここから懸念しておかなければならないのは、“にわか上値期待”の台頭です。
“下方向(ドル売り)”を見てきた向きの変節は“巻き戻し(ドル買い)”を促しやすいものの、“絶好の売り場”を提供する展開が少なくないからです。

◆突破した“ネックライン”を支持ラインにできるか…?

米雇用統計への思惑は減退しておりませんが、“3月利上げ”はすでに織り込み済ですので、これを囃した“ドル買いニーズ”はそれほど高くないとも考えられます。

米雇用統計の事前予想は“非農業部門雇用者数:+20.0万人”“失業率:4.7%”“時間当り平均時給:+0.3%”ですが、仮に予想に届かなかったとしても“3月利上げ期待は揺るがない”と考えるのが自然です。
“初動、再び”の状況であり、“バイアスは上方向”“もう一段の上値追い”も期待できる局面と考えますが、“高値をついていくのもリスク有”というのも頭の片隅には置いておきたいところです。
「突破した“ネックライン(2/15高値:114.944円)”を支持ラインとして機能させることができるか…?を鑑みながら、“押し目買い継続”“下がったところは丁寧に買い拾い”と見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:116.000(大台)
上値4:115.796(ピボットハイブレイクアウト)
上値3:115.613(1/19高値)
上値2:115.377(1/20高値、1/27高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:115.167(ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:114.940
下値1:114.757(日足・一目均衡表先行スパン上限)
下値2:114.520(日足・一目均衡表先行スパン下限、週足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値3:114.446(3/6~3/9の38.2%押し)
下値4:114.362(3/9安値)
下値5:114.278(3/6~3/9の50%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:14 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想