“利益確定売り”をこなしつつ、さらに“上値を模索”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/03/02 10:59

◆米3月利上げ観測”+“リスク選好” - 114円台へ上昇

※ご注意:予想期間は3月3日と表示されていますが、本日(3月2日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


注目の“トランプ大統領議会演説”は、ほぼ想定内の内容でした。
具体的な数値が示されない内容は、一時“失望のドル売り”を誘っています。
しかし演説中には下落していたドルも、演説終了後は早くも上値を模索しはじめました。
“トランプ大統領議会演説”から“米3月利上げ観測”へと、マーケットの関心が移っていったからです。

“米3月利上げ観測”を追い風とした“ドル買い”は幅広く、米10年国債利回りは2.47%に迫る場面が見られました。
また12連騰で途切れたNYダウ上昇ですが再び史上最高値を更新するなど“株高の連鎖”も発生しています。
“リスク選好の円売り”も重なったことから、ドル円は114円台へと押し上げられました。

◆やや“上げ渋る”が見られはじめているが…!?

ここまで来るとさすがに“上げ渋る”が見られはじめていますが、ハト派で知られるブレイナードFRB理事は先ほど「早期利上げの準備は整った」と発言しています。
金利先物から見た“3月利上げの可能性(織り込み度)”は急速に上昇している中、明日にはイエレンFRB議長/フィッシャー同副議長発言を控えています。

まだ米3月利上げが確定したわけではありませんので、“高値買い上がり”には躊躇する局面といえるかもしれません。
ただ利上げを急速に織り込みはじめている中、“値頃感によるドル売り”はそれ以上に危険…?
“利益確定売り”をこなしつつ“上値を模索する展開”を想定、“押したところは買い拾い継続”と見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:114.814(日足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:114.364(50日移動平均線、2/16高値)
上値3:114.258(ピボット1stレジスタンス)
上値2:114.178(2/15~2/28の76.4%戻し、100週移動平均線)
上値1:114.034(3/1高値、大台)
前営業日終値:113.717
下値1:113.476(日足・一目均衡表基準線、3/1高値後の押し目)
下値2:113.213(日足・一目均衡表先行スパン下限)
下値3:113.000(大台、20日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値4:112.866(2/28~3/1の50%押し)
下値5:112.728(3/1安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:21 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想