“懸念”は小さく、“期待”は大きい…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/02/14 11:01

◆114円ラインを巡る攻防、こなし切れず…

※ご注意:予想期間は2月15日と表示されていますが、本日(2月14日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


一時114.163円へと上値を伸ばしたものの、やはり“114円ライン突破を巡る攻防”はそう簡単にはいきませんでした。

思惑は“驚くべき減税案&イエレンFRB議長発言”へと傾斜し、リスク選好姿勢は続いています。
これは1週間ぶりに米10年債利回りが2.45%を回復、NYダウは史上最高値を更新からも窺えるところです。

しかしながらイベント前の慎重姿勢もあり、114円台でドル買い・円売りは続きませんでした。
このため“114円付近の分厚いドル売りオーダー”を吸収し切ることができず、113円台へと押し戻されていきました。
大きく崩れることこそなかったものの、上値の重さは否めないところです。

◆思惑が交錯しやすい - イエレンFRB議長証言

こうした中、注目は「イエレンFRB議長の米上院銀行委員会証言(24:00~)」となります。
“驚くべき減税案”前の“スタンス変更”は想定しづらいと見るのが自然ですが、“3月利上げ”を見込むのであれば「今回がギリギリのタイミング」と見られます。
思惑が交錯しやすく、一部では“ドル失望売り”も懸念されている等、注意が必要といえます。

◆ただし“リスク”は小さく、“期待”は大きい…!?

ただし“3月利上げ”はそれほど盛り上がっておらず、後には前記した“驚くべき減税案”への期待が控えています。
“失望”へと傾斜する可能性は低く、それでいて“早期利上げに前向き”とのスタンスが見えれば“ドル買いのキッカケ”となる可能性が…?

オーダー状況を見ると“113.50-40円にドル買いオーダー”“114.00-20円にドル売りオーダー”が共に厚みを増しており、発表までは動きづらいと見られます。
それでも“114円ライン突破を巡る攻防”に本日も突っかけ、そして内容次第ではありますが、本日に関しては“突破が期待できる”と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:114.937(1/30高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:114.529(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:114.334(100週移動平均線)
上値2:114.163(2/13高値、日足・一目均衡表基準線、ピボット1stレジスタンス)
上値1:114.000(大台)
前営業日終値:113.749
下値1:113.547(2/13NYタイム安値)
下値2:113.407(2/13安値、20日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:113.179(2/7~2/13の38.2%押し)
下値4:113.000(大台、ピボット2ndサポート)
下値5:112.854(2/10安値、2/7~2/13の50%押し、日足・一目均衡表転換線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:20 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想