“不安定”は覚悟も、目先は“一服感台頭”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/02/01 11:02

◆“名指し”で日本を批判 - ドル円急落

※ご注意:予想期間は2月2日と表示されていますが、本日(2月1日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


あぁ、やってしまった。リスク回避姿勢を甘く見た報い…。

“難民受け入れ&中東・アフリカ7ヶ国”からの入国制限に絡む大統領令への波紋(リスク回避姿勢)は、依然として続いています。
これに「ドイツは不当に安いユーロを使用(ナヴァロ・米国家通商会議委員長発言)」を背景に、“ユーロ高⇒ドル安”が進行しました。
さらに“中国”のみならず“日本の通貨/金融政策”にも批判が加わり、ドル円は急落しました。
113円前半に押した後、一時114円ラインへ突っかける場面も見られましたが、最終的には112円割れを脅かす水準へと売り込まれていきました。

◆ただ“底割れ⇒下落トレンド開始”は早計…?

“1/18安値-1/24安値(112.50円水準)”も明確に割り込んだことで、テクニカル的には“もう一段の下落”が否定できないところです。
また“名指しで日本を批判”もかなりのインパクトがありますので、“センチメントは下向き(ドル安・円高)”に傾斜しているのも事実です。

ただ112円割れを回避したことで、目先は“一服感が台頭しやすい”と見るのが自然です。
本日のFOMCで「利上げに傾斜する米金融政策」「概ね良好な米国景況感」等が確認されるようなことがあれば、“強烈なドル買い戻し圧力”が発生する可能性も残ります。
少なくとも昨日の動きにて、“底割れ⇒下落トレンド開始”と判断するのは“早計”と考えます。

今後も“トランプ発言”に振り回され、“不安定な展開”は覚悟せざるを得ないでしょう。
このため目先は“ドルにとっての強い追い風は吹かない”と見るべきかもしれません。
それでも“まだ押し目の範囲内”…?
流れに逆らう格好になりますが、引き続き“買い拾い”で対応したいところです。

リスク回避姿勢を甘く見た、直近の曲り屋の見立てですが…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.953(1/31高値、大台)
上値4:113.727(1/27~1/31の50%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値3:113.340(1/27~1/31の38.2%戻し、1/31安値後の戻り高値)
上値2:113.241(1/31高値後の61.8%戻し)
上値1:113.021(1/31高値後の50%戻し、大台)
前営業日終値:112.830
下値1:112.446(1/31安値後の押し目)
下値2:112.088(1/31安値)
下値3:111.986(11/9~12/15の38.2%押し、11/30安値、大台、ピボット1stサポート)
下値4:111.731(週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値5:111.628(11/29安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:14 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想