高齢者ドライバーによる重大事故発生の増加が懸念
高齢者ドライバーによる重大な交通事故の発生が連日のように報じられている。ブレーキとアクセルの踏み間違えや高速道路の逆走など、高齢者ドライバーが引き起こす“暴走ぶり”が改めて大きな社会問題となってきた。
警察庁が12月15日に公表した「交通事故統計」で、高齢者層の中でも「75歳以上」のドライバーによる事故をみると、16年11月末時点で415件、全体に占める比率も13.6%となっている。人口のボリュームゾーンである1947~1949年生まれの“団塊の世代”が間もなく70歳代に突入するのに伴い、高齢者ドライバーによる重大事故発生の増加が懸念されている。
高齢者ドライバーによる事故対策として、国は免許の自主返納を呼び掛けている。また、運転免許時の講習などを通して、絶えず視力や運動機能などの能力を厳しく確認する動きも広がっている。ただ、自動車自体のシステム改善も当然必須となる。究極は、完全な自動運転システムの普及ということになるが、それまでにはまだ長い年月が必要とされそうだ。そこで注目を集めているのが自動ブレーキシステム。例えば80歳以上の人が運転する車には、自動ブレーキなどの安全装置を装備することを義務付ける案も浮上している。
富士重工業<7270>が20年前に開発し「衝突しない車」としてデビューしたシステム「アイサイト」は、フロントガラス上のカメラ2台が前方の人や障害物を捉え必要に応じブレーキを制御するシステム。既に同社の販売する車の約9割がアイサイト搭載で、搭載車は非搭載車に比べ事故件数が約6割減少しているという。
一方、国土交通省は12月1日、日本初となる11車種の対歩行者自動ブレーキの評価を公表した。そのなかで、評価試験での最高得点はマツダ<7261>のスカイアクティブ(新世代車両運動制御技術)を搭載した「アクセラ」が獲得している。また、自動車部品国内最大手のデンソー<6902>が最近とくに力を入れているのが情報安全関連で、主力製品は自動ブレーキに欠かせない周辺の認識技術であるカメラ、ミリ波レーダー、レーザーレーダーなどの開発を進めている。
また、パナソニック<6752>は、自動車の先進運転支援システム(ADAS)事業で、運転者の状況を監視してサポートするシステムを開発。運転者の視線検知や非接触心拍数測定などで、国内外自動車メーカーは17年後半以降の新車から順次採用を予定している。日本電産<6594>はモーターやセンサー、制御の得意分野を活用して、レーダーのコストダウンを計っている。コストダウンによって現在のADASから複数の機能を連携させ自動運転の発展に寄与する方針だ。
警察庁が12月15日に公表した「交通事故統計」で、高齢者層の中でも「75歳以上」のドライバーによる事故をみると、16年11月末時点で415件、全体に占める比率も13.6%となっている。人口のボリュームゾーンである1947~1949年生まれの“団塊の世代”が間もなく70歳代に突入するのに伴い、高齢者ドライバーによる重大事故発生の増加が懸念されている。
高齢者ドライバーによる事故対策として、国は免許の自主返納を呼び掛けている。また、運転免許時の講習などを通して、絶えず視力や運動機能などの能力を厳しく確認する動きも広がっている。ただ、自動車自体のシステム改善も当然必須となる。究極は、完全な自動運転システムの普及ということになるが、それまでにはまだ長い年月が必要とされそうだ。そこで注目を集めているのが自動ブレーキシステム。例えば80歳以上の人が運転する車には、自動ブレーキなどの安全装置を装備することを義務付ける案も浮上している。
富士重工業<7270>が20年前に開発し「衝突しない車」としてデビューしたシステム「アイサイト」は、フロントガラス上のカメラ2台が前方の人や障害物を捉え必要に応じブレーキを制御するシステム。既に同社の販売する車の約9割がアイサイト搭載で、搭載車は非搭載車に比べ事故件数が約6割減少しているという。
一方、国土交通省は12月1日、日本初となる11車種の対歩行者自動ブレーキの評価を公表した。そのなかで、評価試験での最高得点はマツダ<7261>のスカイアクティブ(新世代車両運動制御技術)を搭載した「アクセラ」が獲得している。また、自動車部品国内最大手のデンソー<6902>が最近とくに力を入れているのが情報安全関連で、主力製品は自動ブレーキに欠かせない周辺の認識技術であるカメラ、ミリ波レーダー、レーザーレーダーなどの開発を進めている。
また、パナソニック<6752>は、自動車の先進運転支援システム(ADAS)事業で、運転者の状況を監視してサポートするシステムを開発。運転者の視線検知や非接触心拍数測定などで、国内外自動車メーカーは17年後半以降の新車から順次採用を予定している。日本電産<6594>はモーターやセンサー、制御の得意分野を活用して、レーダーのコストダウンを計っている。コストダウンによって現在のADASから複数の機能を連携させ自動運転の発展に寄与する方針だ。