【井川純一の今夜も兜町で一杯】“深夜食堂”と濃いめのホッピー、ああ染みるなぁ

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2016/11/14 16:55
 今日11月14日(月曜日)の日経平均株価は、297円83銭高の1万7672円62銭と大幅3日続伸。トランプ次期大統領が打ち出す政策に対する期待感の継続らしいですが、「ほんまかいな」というのが正直な気持ち。信じる者は救われる……当方は、どうも信じられないのですが、まっ、いいんじゃないでしょうか。為替も1ドル=107円台半ばまで急速に円安が進行、これも買い意欲を膨らませたようです。

 ところで、市場の注目を集めてきた自動運転関連のベンチャー企業「ZMP」<7316>の上場が引け後に発表されました。12月19日、東証マザーズに上場されるとのこと、明日はZMP祭りとなりますか、それとも材料出尽くしか、とにもかくにも明日が楽しみではあります。

 相場はさておき、生きるって難しいと、いまさらながらだが思うようになった。どんな人間だって、自分が歩んできた道に100%満足しているわけではない。いや、もしかしたら、そうじゃないかもしれないが、出来の悪い生き方をしてきた人間としては、そう思いたいところがあるのかもしれない。

 よく「相場と人生は似たようなもの」って言う奴がいるけれど、本当にそうだろうか。人生は、生を受けてこの世に誕生したからには、否応なしに送っていかなければならない。それが、不本意な生き方だろうと、とにかく生きていかなければならない。相場は、やりたくなければ、やらなければいいわけで、そもそも出発点が違う。まぁ、共通しているとすれば、相場も人生もなかなか思うにまかせないということだろうか。とは言え、これも負け犬人生を送ってきた僕という人間のひねくれた思考で、もしかしたら相場も人生も思い通りにいった人間だっているのかもしれない。いや、恐らくいるのだろうが、朱に交わればなんとやら、取りあえず僕の周辺にはいない。

 休日、晩秋の街を散歩がてら歩く。ふとチケット屋のウインドーをのぞくと、映画の前売り券が並べてあった。目に入ったのが「続・深夜食堂」のチケット。以前からテレビで時折見ていたドラマだが、今回は映画化第2弾。暇だったこともあり前売り券を購入して、近くの上映館に入った。ストーリーも良いんだけれど、その哀愁を浴びた主題歌は、なんだか胸に染みるんだよねぇ。

 映画の舞台は、新宿ゴールデン街あたりだろうか。路地裏の深夜12時から開店する食堂と、そのマスター、そして店に通う人々の物語だ。正直、あまり期待をしていなかった。が、次第に引き込まれていく自分がいた。物語は静かに進んでいく、人生はいろいろあるわけで、まぁそういったストーリーだ。こういった話ってありがちで、いままではどうも苦手だったのだが、なんだか一味違うんだよ。ここ、映画といえば、世間様も株式市場も「君の名は。」「シン・ゴジラ」といった東宝<9602>の話題ばかりだけれど、「続・深夜食堂」の配給は東映<9605>。森の石松じゃないけれど、「誰か忘れちゃいませんか(ジジイしか分からないかも、すみません)」ってな感じだ。東映だって、頑張ってるんです。

 安っぽい言い方で申し訳ないが、静かにジーンときたのよね。映画館を出ると、すっかり街はネオンで彩られている。「ああ、寒い」と、ついつい声に出る。なんだか一杯やりたい気分になり、路地裏にある焼き豚屋の暖簾をくぐった。う~ん、豚トロが濃いめのホッピーに良く合うよなぁ。
《KC》

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
配信元: みんかぶ

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