先高期待感から買い先行、25日・200日線を上回る
明日の東京株式市場見通し
6日の東京株式市場は、引き続き外国為替市場での円相場の推移に左右される動きとなりそうだ。欧米での長期金利上昇などで、日本との金利差拡大傾向が持続するようであれば、採算改善期待の輸出関連の主力銘柄を中心に買いが先行しそうだ。ただ、きょうまでの3日続伸で、
日経平均株価は369円の短期間での大幅上昇となっているだけに、その反動により上値が重くなる場面もありそうだ。
市場関係者からは「きょうの終値で、25日移動平均線(1万6740円=5日)と200日移動平均線(1万6734円=同)をともに上回った。200日線は、依然として下降トレンドにあるものの、先高期待につながるひとつの目安となる」との見方が出ていた。
5日の東京株式市場は、外国為替市場での円安進行を追い風に、主力の輸出関連株などを中心に買い優勢となった。
日経平均株価は上値の重さも目立ったが、終値は前日比83円59銭高の1万6819円24銭と3日続伸した。
5日の動意株
イマジカ・ロボット ホールディングス
<6879>=後場に入ってストップ高。
同社はきょう、機械学習とデータマイニングの国際会議ECML/PKDD2016に併催されたコンペティション「ECML/PKKD Discovery Challenge」で子会社のフォトロンが世界第1位を獲得したことを明らかにした。 ECML/PKKD Discovery Challengeは、人工知能の一分野である機械学習を用いて、実際のビッグデータから未知の事象を予測する「予測モデリング手法」の性能を競うもの。今回は世界24カ国から約80チームが参加した。
東海運<9380>=急反発し年初来高値更新。
12月に予定されている日ロ首脳会談に向けて、ロシア関連株が注目されているが、対ロ経済協力に絡みロシア側はシベリア鉄道を延伸し、サハリンから北海道までをつなぐ大陸横断鉄道の建設を求めている、との報道も出ている。東海運は、1969年に日本で初めてとなる日ソ合弁企業を設立し、その後、シベリア鉄道を利用する日欧一貫輸送を行うなどロシア絡みのビジネスで豊富な実績を持つことが再評価されている様子だ。
リプロセル<4978>=後場一段高。
同社はiPS細胞の研究試薬を手掛ける創薬ベンチャーだが、日刊工業新聞が「同社と柴又運輸(東京都江戸川区)は、ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った心筋などの細胞を凍らせずに恒温輸送するサービスを製薬会社や研究所向けに月内に本格展開する」と報じており、これが株価を刺激している。輸送専門会社による恒温輸送サービスにより凍結による細胞の壊死や品質低下を防止でき、創薬や再生医療の研究に弾みがつくことが期待されている。「輸送対象はiPS細胞由来の心筋細胞と神経細胞、肝細胞の3種類。横浜市にあるリプロセルの研究所で作製する」と伝えられている。
Olympicグループ<8289>=大幅高で3日続伸。
同社は4日の取引終了後、17年2月期の第2四半期累計(3~8月)連結業績予想の修正を発表。営業収益を544億円から546億6000万円(前年同期比2.0%増)へ、営業利益を5億円から6億円(同2倍)へ、純利益を2億円から3億4000万円(同8.1倍)へ上方修正、これを好感した。営業費を中心としたコスト削減の進展が寄与している。
クラリオン<6796>=大幅続伸。
カーエレクトロニクスに関連する同社株には為替の円安進行はプラス材料となっているほか、自動運転関連銘柄としても注目度は高い。また、同社は
日立製作所<6501>が63%の株式を保有する筆頭株主であり、日立系企業の再編に絡み関心を集めているようだ。
トリドール<3397>=急伸。
同社はきょう、9月度の月次売上高を公表。全業態の既存店売上高は前年同月比5.0%増となり、2カ月ぶりに前年実績を上回った。主力の丸亀製麺の既存店売上高は同5.4%増と、2カ月ぶりのプラス。新商品を販売するとともにテレビCMを放送するなど、売り上げ・来客数増に向けた施策を実施したことなどが功を奏した。
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