小幅反落の想定 『鯨幕相場』で方向感は見られない 個別物色が続きそう

著者:市原義明
投稿:2016/10/03 19:14

◆先週から陽線と陰線を繰り返す『鯨幕相場』が続いている

4日(火)の日経平均は小幅反落を想定します。

週明け3日の日経平均は、ドイツ銀行の急反発で上昇した欧米株高が安心感を誘い、買い優勢で反発になりました。

ただし、東証1部の売買代金は2兆円を大きく割り込む1兆6279億円、輸出関連などの景気敏感株の上昇は目立たず、小売や食料品の内需関連の上昇が目立ちました。

景気敏感株が上昇しないと、日経平均の上昇にも力強さを感じませんし、自律反発の範囲だったと考えられます。

また、日経平均は先週から陽線と陰線を繰り返す『鯨幕相場』になっています。鯨幕相場とは、陽線が『白』、陰線が『黒』なので、白黒の幕である『鯨幕』にたとえられた相場展開のことです。

鯨幕はお通夜やお葬式で使われる幕なので、株式市場もお通夜のようにしんみりというわけではないでしょうが、強弱感がつかめず、投資家の気迷いが続いているといえます。

3日が陽線でしたから、次は陰線と見て反落想定です。ただし、直近の16400円から16700円程度の往来の中心水準なので、反落しても小幅に留まる想定です。

鯨幕相場は方向感がない保ち合い相場で出現しやすいローソク足のパターンですが、保ち合いはいずれどちらかに離れます。今はじっと耐えて、保ち合い離れを待つしかないと思います。

一方、この記事を書いている間に、東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏がノーベル医学・生理学賞を受賞したとの速報が流れています。ノーベル賞関連などを中心に、個別の材料を手がかりにした展開が続きそうです。



市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想