【買い】飯野海運(9119) 不動産賃貸でがっちり

著者:小野山功
投稿:2016/02/15 08:36

ケミカルタンカー市況は「悪化」せず

■注目銘柄

飯野海運(9119)

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*2月19日追記

海運大手3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)が、軒並み2ケタの経常減益を見込むなど苦戦する一方、飯野海運の16年3月期業績は増益の見通しです。

東証1部上場の海運8社のうち、今期の経常増益を見込むのは飯野海運だけです。株価は400円台半ばと年初来安値圏にありますが、3月5日から始まる中国の全人代への期待感もあり、次第に下値を切り上げる動きが見込めるのではないでしょうか。

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海運準大手。市況の影響を受けやすい外航海運事業と、長期契約がメインの内航海運の二本柱ですが、内幸町の本社ビル『飯野ビル』など不動産賃貸で営業利益の半分ほどを稼いでいます。

外航海運の市況となるバルチック海運指数は節目の300を割り込み、史上最安値を割り込んでいますが、同社の得意とするケミカルタンカー市況は好調です。

石油化学製品の輸送にはステンレスタンクを有するなど参入障壁が高いため、バラ積み船とは異なり市況が大きくは崩れていません。

さらに『飯野ビル』などの不動産収益が盤石のため、大手3社とは異なり、赤字転落のリスクは低い銘柄といえます。過去10年間に最終赤字を計上したのは、12年3月期の1度きりです。

オイルタンカーなどの資材に資金を要するため、有利子負債は1,200億円超と多いものの、日銀によるマイナス金利導入を受けて利払い費減少も期待できます。

ケミカルタンカーと不動産でがっちり稼ぐ同社は、バラ積み船市況悪化で苦しむ海運大手3社に連れ安する必要は無いのではないでしょうか。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想

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