国内のワクチン開発企業で治験が最終段階に入るのは初めてで、同社はアジア諸国で約5万人を対象にワクチンの有効性と安全性を評価したうえで、今年度中に厚生労働省に薬事承認を申請し、実用化を目指すそうです。
塩野義が開発するのは遺伝子組み換え技術を使った「遺伝子組み換えたんぱくワクチン」で、最終段階の治験では、ベトナム政府の協力を得て、治験参加者を同社のワクチン候補と偽薬(プラセボ)を投与する2群に分け、2回接種後の新型コロナの発症の有無を比較して効果を確かめるとのことです。
ベトナムでは約1万人の参加を見込み、フィリピンなど他のアジア諸国も合わせて約5万人の参加を募るようです。
実用化済みのワクチンがある中で偽薬を用いる治験については、倫理的課題が指摘されてきましたが、塩野義は「偽薬と比較する大規模治験はワクチン開発のゴールデンスタンダードで、次のパンデミック(感染症の世界的大流行)に備えて国産の開発力を強化するためにも必要と判断した」とのことです。
塩野義はこれとは別に、来年1月から国内で同社のワクチン候補と実用化済みの海外製ワクチンを投与する2群に分け、接種後の血液中の中和抗体価(抗体の量)を比較する最終段階の治験も始める予定だそうです。
塩野義は既に、ファイザー製を2回接種した人に3回目で塩野義のワクチン候補を追加接種する治験を国内で開始しており、これら複数の治験で得られたデータを基に厚労省に薬事承認を申請する方針のようです。
この治験もうまくいって、早く実用化できるといいですね。
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