年越しそばを食べに来いと、スナック門のママが言っていたような気がした。
記憶は定かではなかったが、もしかしてと思って、スナック門へ向かった。
記憶は定かではなかったが、もしかしてと思って、スナック門へ向かった。
車から覗くとスナック門のネオンが点いている。ついで近所のカプセルホテルも開業しているのを確認して、車をいつもの安い駐車場へ止めた。車の代行もさすがに今日は休みだろうと、踏んだのだった。
店に入ると、早かったじゃないのとママが言った。
全く覚えていなかったのだが、やはり大晦日に飲みに来ると約束していたらしい。
全く覚えていなかったのだが、やはり大晦日に飲みに来ると約束していたらしい。
話が、他界したという三島大輔のことになった。
彼がハマっていたのは韓国の女優ではなくって、日本でいうと美空ひばり級な大物歌手だったのだという。スナック門に2度ほど連れてきて、ともに店で歌ってくれたという。
裏庭までとおる声をしていたというが、名前は覚えていないのだという。
彼がハマっていたのは韓国の女優ではなくって、日本でいうと美空ひばり級な大物歌手だったのだという。スナック門に2度ほど連れてきて、ともに店で歌ってくれたという。
裏庭までとおる声をしていたというが、名前は覚えていないのだという。
ハマっていたという噂も、実は仕事でのつながりだった可能性もある。しかし、いずれにせよ、三島はこの大物歌手にかなりの金額をつぎ込んで、最後にはほとんど金が残っておらず、スナック門へのツケ数十万円も、払ってもらえなかったのだと漏らしていた。
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ヒトはいつ亡くなるのか、誰にもわからない。いつ死んでもイイように、己の心に嘘をつかず、三島のように死なない程度に好き勝手に生きるのも、悪くないように思えた。
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